梅の花が視界に入ってきて、心がほっこり。
七十二候「ももはじめてさく」の頃、境内を見渡せばあちらこちらで梅の花が視界に入ってきて、心がほっこり。まだ少し前はうっすら雪化粧をまとっていたり、今年の開花はちょっと遅めかな思っていたりもしたのですが、やっとやっと可愛い姿が目立ってきました。
さて、梅の花と言っても1つじゃなく、いろいろなものがあります。
久安寺の境内には、まるで鶴や白鳥のような白色、まるでフラミンゴのような…サーモンピンクというのでしょうか、濃さもまたいろいろあるのですが、そんな桃色の品種が咲いてくれます。
風を感じる日には、梅の花の枝が鳥たちの足にも見えて、ほら、何だか春のステップを踏んでいるように見えませんか?なんて(笑)
梅は、花弁の裏側から見てもかわいいので、表裏の両方からぜひ眺めるのがおすすめです。
また、薬師堂横と虚空園山の側には山茱萸(サンシュユ)も咲きました。陽が照ると、それはそれは綺麗で。別名は春黄金花と呼ばれるように美しい黄系の色をしていますよ。
それでは、今回はこんな言葉を最後に…
「それ禿なる樹 定んで禿なるに非ず 春に遇えば即ち栄え花さく」 弘法大師『秘蔵宝鑰』
春を迎えるまではまるで枯れたようなその木も、春になれば花が咲く、
人もまた、今が忍耐や努力のさなかであっても、その先にはきっと明るい兆しの色が必ず見えてくる、
明けない夜はないように、花にも人にも、春がやってくるものです。