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楼門(国指定重要文化財)
久安寺参拝のこの楼門の金剛力士像からはじまります。
優雅な屋根の線は<水平のない軒反り>という技法が創り出した美しさです。
鎌倉期彫刻を偲ばせる金剛力士像を中央親柱筋より後方に安置して前面を広く、その親柱を高くして頭上を高くした<仏堂形式>は、三間一戸の楼門をより壮大にしています。通路上の<かえるまたの意匠>の変化も楽しいものです。昭和34年の解体調査で、室町初期に再建か大修理が行われたものと推定されています。
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本坊
楼門をくぐれば、苔をのせた石垣楓の老木が、古刹のたたずまいを華麗にひきしめます。
往時は、49院の坊舎があり、小坂院が、現在本坊として残っています。
本坊玄関の間には教主大日如来を祀り、現在は寺務所となっています。
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阿弥陀堂
西の弥勒山を背に、高床式の文化財保存条件を満たし、阿弥陀如来坐像(国指定重文)を本尊に、薬師如来立像、釈迦涅槃図、 久安寺縁起 の市指定重文を収蔵。また行基像、賢実像など、多数収蔵。
※公開日有。別日、団体予約可。
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普供養の庭
無量寿殿の前庭は供養菩薩遊化の庭で、金剛界曼荼羅供養教学の実践化を勧めて、供養の功徳を得ていただく哲学実践の 庭であります。
花と緑の蜜雲、生命の尊厳を拝む合掌槙、永遠の生命に導く弥勒石。五智如来のはたらきに目ざめる心字池。
生かし生かされる業を讃える石舞台。
楓の老木が無量寿を歌い、弘法大師ゆかりの光明泉が妙適の水を供養しています。
花をつけた木々の姿に供養天女を想い、庭石の上に供養菩薩の姿が見えることでしょう。その時あなたも供養菩薩です。
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本堂
久安寺本尊千手観音のおわします観音堂であります。
聖武帝、御一条帝、近衛帝の勅願による本尊は、宮殿に秘仏で、前士を拝むことができます。四天王中増長天(市指定重文)は、藤原期の作風を伝えています。
真言密教道場として五智如来に加接する修法壇が祈りの中心となり、左右に曼荼羅 と不動明王、弘法大師、八祖図像を奉祀しています。
修正会、(初詣)、節分会などが修され、仏前結婚式もできます。
結縁、安産、学業、繁盛の祈願所で、摂津国三十三所霊場第 19番札所であります。
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虚空園
「虚空にバン字あり・・・」と本堂での修法瞑想。
本堂北に広がる「バン字(こころ)池」を中心に花咲く庭。参道である両果の道を はさんで、東にある小山を「ア字山」といい、庭園全域を虚空園と称します。
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三光社
豊臣秀吉参拝の時、この三光大善神に祈願したと伝え、 日天、月天妙見尊星王と大宇宙の真理を司り、厄除開 運の大善神として信仰をあつめ 、久安寺の伽藍神であ ります。
この三光社を祀る小山をア字山と呼び、秀吉 が月見の会を催したと伝えられています。
今、本堂前に移された腰掛石は、もとこの山頂にありました。山内を一望するため歴代の高僧も腰をおろしたと想われます。
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仏塔・舎利殿涅槃堂
四季折々の樹木・草花が花を咲かせ、香りを放つ自然に包まれた境内に、どなたでも納骨合祀のできる納骨慰霊堂が完成しました。
現代のお墓の事情は人それぞれです。跡継ぎがない、先祖のお墓をみる人がいない、墓地が遠方にあってなかなかお参りにいけない、これまでお寺とのつながりがない、新たにお墓を持たない、など様々な事情にお応えできるようになっています。