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久安寺ブログ

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Archive2021年アーカイブ


2021年12月31日

寅年の吉祥宝来


冬の一大イベントの日が過ぎてしまえば、2021年も片手で数えるのが足りるくらいに僅かとなりました。
鏡餅をお供えして、「もぉ〜い〜くつね〜るとぉ〜 おしょおが〜つ〜」と密かに頭の中で歌いつつ(笑い)、寅年の吉祥宝来の準備をしたり、寅年の福矢・寅年の絵馬4種・合格祈願絵馬3種・寅年の土鈴を本尊千手観音さまの御前で加持をしたりと、お正月を迎える手はずをせっせと整え、整え。
ちなみに、吉祥飾紙は、仏間・床の間・玄関などに一年中お飾りするもので、古来より家運を隆昌させ、魔を除き福を招く〆飾りとして慶ばれています。飾るときには、「家内安全と無病息災、良き年でありますように」と祈念をしますよ。
年末は、ますます冷え込みが増して、参道の水手鉢にも分厚い氷が張っていました。そこに落ちた椿をそっと2つ並べては...夏の風物詩をちょっと思い出したり。
次の夏も、また久安寺のあじさいうかべを皆さんとともに楽しみたいですね。
春も秋も冬も、いろいろな季節の花々とともに皆さんをお待ちしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


2021年12月22日

寺報「久安寺だより」


一日一日とさらに過ぎ、2021年の丑年も残り数週間となった頃のこと、久安寺の1年をちょっと振り返ってみたりしていました。今年は、寺報「久安寺だより」を第15号と第16号と2冊発行しましたね。「来年は3回発行できればなぁ」と密かに思っています。
寺報は関係の方々には送付しているのですが、残りを拝観受付と仏塔内に置いていますから、ぜひぜひ皆さんご自由にお持ち帰りくださいね。
そして、振り返っていて頭に思い浮かんだのが、「そう言えば、今年は...」と、カタツムリさんやカエルさんや、アオサギやキツネや、「そうだ、サワガニさんも来てくれたな」と、久安寺の参道でお会いした愉快な皆さんの姿でした。
2022年もまた来てくれるでしょうか。新たな出会いもあるでしょうか。
とはいえ、寅さんが来られたらどうしましょう...なんて(笑い)。
さて、冗談はおいておき、その頃は檀信徒総代さん達がしめ縄を作ってくれました。
年末恒例。村の風習。神仏習合。形とかお寺とかいろいろとありますが、とやかく難しいことを言わず、なによりも手作りが嬉しいのですよ。
何においても、その心・気持ちに勝るものはありません。


2021年12月18日

精神美


12月中旬は、久安寺からの景色にうっすらと雪が広がって見えました。石灯籠や山茶花の蕾にも雪がふんわりと乗っていましたよ。山茶花の蕾は、赤くて可憐なのですが、ふわっとかかっている雪が、何だか粉砂糖のように見えてきてしまった途端...おいしそうに思えてしまったり(笑い)。
山茶花の花言葉には、「ひたむきさ。困難に負けず」というようなものがあったでしょうか。
これからしばらくは、春を迎えるまで寒い時期が続きます。そして、時に冬の寒さは人の心にかげりをもたらすこともあります。そんなときには、ぜひ山茶花に会いに来てみてください。
「一緒に乗り越えようよ」と肩を組んでくれるような、前向きになれるような、そんな気持ちにさせてくれますよ。
さて、そんな冬らしさ広がるこの時期ですが、シキザクラもひたむきに、ちょこっと咲いていますね。
仏塔前に2本と地味かもしれませんが、嬉しいものです。狂い咲きではない状態で、年に2度開花。豆桜と江戸彼岸との交雑種になります。
花言葉は「精神美」ですって。
美しい精神には人それぞれ捉え方があると思いますが、人に自然と手を差し伸べるような人もその一つに当たるでしょうか。
でも、そのためには何より自分の「心=精神」が「健康=美」でなくちゃ、よそに気を配ることは難しい...。
となると、まずは自分を労ることが根本になるのかもしれませんね。
皆さんは、「精神美」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?


2021年12月 6日

来る12月


1年が経つのは、本当にあっという間ですね。昨年からのコロナ禍で、今年も長く耐え忍んだわけですが、12月が来ると「1年経つのは早いな」と思ってしまいます。というか、毎年そう思ってしまうのが「人の習わし」でしょうか?
さて、そんな師走のはじめでしたが、まだ紅葉が丸っきり過ぎたわけではなく、5割ほどの葉が散ったような、久安寺から見える景色はそんな感じでした。
大阪歯科保険医新聞さんが「紅葉の隠れた名所」として掲載してくれていて嬉しかったですね。感謝です。
また、月例行事も無事に開くことができ、上旬には真言禅の会、写経の会、写仏の会を行いました。ご体験やご参拝いただいた方々ありがとうございました。
次に開くときは、もう新しい年になっているのですね。
いつもどおり、一つずつ月が過ぎているだけなのに、12月から1月に変わるときだけは特別なものですよね。そわそわするような、ワクワクするような...
また皆さんの元気なお顔を見ることを楽しみにしています。
そして、久安寺へ参拝や体験の場に「はじめまして」とやって来られるあなたのことを心よりお待ちしております。


2021年12月 1日

12月予定


師走ですね。
5割ほどの葉が散りました。
大阪歯科保険医新聞に掲載。感謝です。
12月もどうぞご体験、ご参拝ください。
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28日14時〜 不動護摩祈祷の日
31日23時45分 除夜の鐘


2021年11月22日

素敵な瞬間


11月を振り返ると、下旬にかけて団体様を案内する機会に恵まれました。
関西花の寺霊場のツアーの皆様。池田市の空港・観光課のご担当でワーケーションのトライアルプログラムの一環として、北海道の企業の4名様。NPO大阪府民カレッジ「池田校」様。池田市観光協会の観光回遊ツアーの御一行様といった方々が参拝に来られました。法話をさせていただいたり、瞑想や写経の体験をしていただいたり、そして、久安寺の紅葉も楽しんでいかれました。
さて、ひとえに紅葉といっても、魅力的なのは、さんさんとした秋晴れの下で見渡す景色ばかりではなく、実は雨上がりに見える秋景色というのもおすすめだったりします。
確か、空気中には、私たちには目視できない塵のようなものがあって、それが雨が降ることによって拭われて地面に落ちる。それで景色が綺麗に見える...だったでしょうか?そういった理由で景色が澄んで見えるのだと聞いたことがあるのですが、もし違っていたらコソっと教えてください(笑い)。
でも、回廊から、朱雀池から、バン字池からと、雨上がりに見た紅葉というのは本当に美しかった...。
こういう素敵な瞬間に出くわすたび、ぜひ皆さんにも共有できたらと思ってしまいますね。
今年も残り1か月になりましたが、11月も月例行事やご参拝に久安寺へお越しいただき、ありがとうございました。いつでも気軽にお立ち寄りください。


2021年11月16日

弁天さま


大分11月も月日が進んだ、とある秋晴れの日のこと。
ふらりと久安寺の参道を散策していたのですが、ふと朱雀池のほうに行ってみると、そのそばに立たれている弁才天の姿がとても神々しく見えてなりませんでした。
なぜなら、弁天さま自身と、その周りに生える木々の紅葉が、空からの陽射しを受けて、それはそれは神秘的だったのです。何となく気の向くままに立ち寄ったつもりでしたが、もしかしたら引き寄せられたのかもしれませんね。耳をすませば、今にも穏やかな琵琶の音色でも聴こえてきそうな...。
その日を境目に、一気に秋の色が強まった気がしたのは気のせいでしょうか?
紅葉・銀杏・山茶花、久安寺の木々たちに向けて、もしかしたらあの日は、弁天さまが「秋を染める曲」を奏でていたのでは。そう思ったことは、絶対にここだけの秘密ですよ(笑い)。
さて、11月21日には大般若経典読法要と、文化財公開、そして護摩祈祷がありました。「餅まきはありますか?」というお声を頂いたり、皆さん楽しみにしてくれている恒例の開運餅まきなのですが、今年は行えず...大変残念でした。来年こそは、ぜひ皆さん一緒に餅まきを楽しみましょう!


2021年11月13日

阪急沿線おでかけ情報紙TOKK


11月も中旬に近づけば、久安寺の秋模様も色づきが五分くらいまで進んだでしょうか。
この季節は、至るところで足を止めて、飽きることなく景色に見惚れてしまいますね。そういえば、少し前に参道でお散歩中のサワガニさんと鉢合わせをしたのですが、同じ朱色をしていたもので、一瞬秋の落ち葉と見間違えそうになりました。危なかったです。
もしかして、サワガニさんも「阪急沿線おでかけ情報紙TOKK」の11月号を見て、来てくれたのでしょうか?なんて(笑い)。久安寺のこともちょこっと取り上げていただいていましたね。感謝です。
秋景色の主役としては、唐楓や紅葉等がどうしてもメインになるかと思いますが、千両も今時期に真っ赤な実をつけますし、実は「桜」と会える時期でもあります。
千両は「利益・富・財産・裕福・可憐・恵まれた才能」という物すごい花言葉を持っていて、お正月の縁起物の一つとされていますね。そして、秋に咲く桜といえば、十月桜です。とても可愛らしいですよ。
久安寺では、真言禅・写経・写仏の会について、お電話・メールで希望日時をご予約くだされば、定例日以外でも体験可能ですので、そういった機会や参拝に来られた際には、ぜひ隅々まで取りこぼすことなく秋を探索してみてくださいね。


2021年11月 5日

紅葉、色づき始め。銀杏、紅葉し始め


11月初旬は、真言禅の会、写経の会、写仏の会、そして、文化の日には特別文化財公開もございました。参加いただいた皆さんに感謝です。その頃の久安寺は、「紅葉、色づき始め。銀杏、紅葉し始め」という感じだったでしょうか。満開の秋景色もいいですが、朱色だったり、黄色だったりが少し見えるくらいも綺麗ですよね。
また、秋を感じるといえば、視界だけでなく、香りもでしょうか。
ふわりとキンモクセイの香りがしてくると、「秋だなあ」と、べたなセリフを思い浮かべてしまいます(笑い)。
キンモクセイは、橙色の小さな花が集まっているような見た目で可愛らしいですね。こういう花を見ると思うのですが、例えば椿や牡丹のように、一つの花がどーんと大きく見えるのも良いですが、小さい花たちが密集しているような咲き方って、何だか花束のように見えて素敵だなと...。
そして、そういう見え方というのは、少し人にも重ねられるように思いました。
人は、目に見える才能・特技のような大きな輝きを持つ人をどうしても羨ましく見てしまいますが、一見人並みに見えても、実はいろいろなことが丁寧にできるとか、努力を惜しまないとか、そういったことを「普通だよ」と言って当たり前にする人も、前者と同じくらいに魅力的だなと。
花も人も、一瞬で目に映るものだけでは魅力の大小は測れないものだと思いませんか?


2021年11月 2日

11月予定


参道のセンリョウ。実がぼちぼち色づいてきました。
花言葉 利益富財産裕福可憐恵まれた才能
随時、七五三の祈願受付中です。
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11月10日14時~15時30分 写仏の会
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11月15日14時~15時 文化財公開の日
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11月21日
11時~12時 大般若経転読法要
12時~15時 特別文化財公開
13時・14時 護摩祈祷


2021年10月26日

風鐸、宝鐸


10月半ばには文化財公開の日、下旬には不動護摩祈祷の日がありました。
文化の日に宝物殿の文化財公開をしたのですが、大黒天さまにご参拝いただけましたか?
前にも少し紹介しましたが、五穀豊穣をつかさどり、飲食を豊かにしてくれる大黒天さまです。「大黒さま」とも呼ぶでしょうか。御真言は「オンマカキャラヤソワカ」ですね。福々しくて大好きです。
そして、久安寺に参拝に来られた方から、「お堂の天井の隅っこに吊るされている物って何ですか」と質問を受けたので、ちょっと紹介を。あれは風鐸(ふうたく)もしくは宝鐸(ほうたく)と呼ばれています。
お堂の軒の四隅に吊り下げられているのですが、邪気除けの意味でつけられていて、風鐸の清らかな音が聞こえるところでは災いが起こらないとされているのです。
また、コロナによる緊急事態宣言が解かれたことで、久々に阪急交通社さんの西国薬師霊場団参ツアーの皆さまが来られました。お薬師さまもおまいりいただき喜んでおられます。
久安寺の薬師如来像は1200年前の池田市最古の仏像であり、池田市指定の重要文化財として、宝物殿にお祀りしています。
今月も月例行事や参拝や、本尊・千手観音さまの縁日など、久安寺に来ていただきありがとうございました。


2021年10月10日

写経の会、写仏の会


月初めに開かれる真言禅の会につづき、久安寺の月例行事と言えば、写経の会、写仏の会でしょうか。その頃はシュウメイギクがちらほらと咲いていましたが、ご覧になりましたか?
今年はちょっと開花が早いような気がするな。そんなことを思って眺めるとともに、次回の今頃はきっとイチョウの紅葉が見頃に違いないなと、早くもわくわくしていたり。
さて、シュウメイギクと言えば、「秋、明、菊」と書くので、「涼しくなって少し寂しさを感じさせるような秋を明るく照らす花」とか、てっきりそんなような由来だと思い、ふむふむと勝手に「そうだろうな」と頷いていたのです。
しかし、どうやら正しくは「秋の季節に咲く、菊に似た花。かつ、明るい色の花」ということらしく。私は、そもそもキク科の花だろうと思い込んでいたので、シュウメイギクについてを、そうか......菊の一種ではなかったのかと、そっと心に受け止めました。
でも、皆さん知っていましたか?なんて、味方をつけようとしてはいけませんね(笑い)。
そして、この前少し蟲供養についてお話をしたことを覚えているでしょうか。
とある日のこと、久安寺の仏塔、宝珠にてカマキリさんが散歩をされているところを見つけたのです。
せめて、ここでは伸び伸び自由に過ごしてほしいと、そう思うばかりでした。


2021年10月 8日

蟲供養を開催されていました。


10月前半のこと、箕面の西江寺に立ち寄り、「蟲供養(むし くよう)」を行いました。お茶席なども用意されていましたね。ありがとうございました。
さて、蟲供養とは......
昔々から、私たちが生きていくためには作物が必要で、その中で田畑を耕したり、きちんと実らせたりするためには、勝手ではありながらも、どうしても蟲を排除する必要がありました。そういった私たち都合で排除してしまった者たちへの供養をすることを言います。それが、ずっと今も続いて行われています。
聖天さま、大黒天さまに、「オンキリクギャクウンソワカ オンマカキャラヤソワカ」とおまいりを。
以前、地蔵盆のときは、お地蔵様の前で「オンカカカ ビサンマエイソワカ」でしたね。
皆さん、覚えていましたか?
ちなみに、聖天(しょうてん)さまとは、十一面観音で、私たちが心底困り果てていることや悩んでいること、救ってほしいことがあれば、そこを見抜き、助けてくれると言います。
また、大黒天様といえば、七福神であり、五穀豊穣などをつかさどると言われていますよ。


2021年10月 5日

朝顔のように朝に咲いて夜には萎んでしまう一日花


やっとやっとの緊急事態宣言の解除。ということで、10月3日(日)には久しぶりに真言禅の会を開催できました。ありがたやありがたや。
ご参加いただいた方は、ぜひまた。そして、初めての方は、来月の第一日曜日の朝8時〜9時、久安寺にていかがでしょうか?ぜひ一緒に座ってみましょう!
また、この頃は、酔芙蓉(スイフヨウ)の花がちょこちょこと咲いていました。
何と、酔芙蓉の花というのは、朝方は白色なのに、昼や夕方にかけてだんだんとピンク色に変化していくのです。由来でもありますが、まるで、私たちがお酒を飲んで、心地よくなりながら、だんだんと頬が赤くなっていくかのように。
同じく『心』で例えてみても、1日の中で、私たちの心模様には変化があって、白やピンクや赤や、時には青もあるかもしれませんが、そんなように、同じ存在でありながらも24時間の中では色がグラデーションを帯びたり、違っていたりすると思うのです。
そう考えながら酔芙蓉を見上げると......「酔芙蓉は今どんな気持ちなのだろう」と、何だかそんなことを思ってしまいました(笑い)。
とても美しいのですが、不思議であり、面白い花でもある。そんな酔芙蓉です。
朝顔のように朝に咲いて夜には萎んでしまう一日花ですが、翌日にはまた別な花がぽわぽわと咲くので、長く楽しめます。


2021年10月 4日

10月の予定


昨日、真言禅の会でした。ご参加の方に、感謝!
初めての方、また来月、第一日曜日、朝8時〜9時いかがでしょうか?
一緒に座ってみましょう。
10月8日金曜日14時〜15時 写経の会
10月10日日曜日14時〜15時半 写仏の会


2021年9月25日

お彼岸


9月下旬にはお彼岸がありました。この日々は、此の岸から「彼の岸」に到る徳目について考えます。
1.布施(自分のためではなく人のためにと考え、動く)
2.持戒(欲にかられずにモラルを守る)
3.忍辱(嫌な現実や自分の欠点から目を背けたり、憤ったりせずに素直に受け止め耐える)
4.精進(努力を惜しまずに注ぐ)
5.禅定(冷静かつ平常心を持ち、自分を顧みる)
6.智慧(きちんとした物差しを持って、判断を誤らない)
これら六波羅蜜行と自分の平素の日常を見直したら、あとは実行するのみ!です。
春と秋の年に2回ある彼岸も、秋を過ぎればまた来年。久安寺の仏塔に建つ普賢菩薩像、その周りには「また会う日を楽しみに」という花言葉を持つ白花曼珠沙華(彼岸花)が咲き広がっている。何だか、今年の彼岸の終わりを告げているかのようですね。まるで、彼岸と此岸の間を取り持つ役目を担っているかのような......。
では、締めくくりにこんな言葉を。
「佛は忍辱の鎧 精進の甲をもって持戒の馬に乗り 定の弓 恵の箭をもって 外には魔王の軍を摧き 内には煩悩の賊を滅す 故に佛と称するなり」  『大日経開題』弘法大師
彼岸会をはじめ、不動護摩祈祷など、9月も久安寺にお越しいただいた皆さまありがとうございました。


2021年9月20日

天界に咲き広がっている花ヒガンバナ


9月半ばには文化財公開がありました。残念ながら、まだ全ての月例行事を行うことはできませんが、そんな中でも無事に開催できた行事や参拝にと、久安寺に来てくださる皆さまにいつも感謝です。ちょうど彼岸花が美しく咲く頃でしたが、ご覧いただけましたか?
彼岸花といえば赤色のものを多く見かけると思いますが、久安寺では赤と白の2種類が咲きますよ。蕾だけを見ると、ちょっとユリの蕾のようにも見えるのですが、いざ咲くと唯一無二な姿に感動させられます。別名では曼珠沙華(マンジュシャゲ)と呼ばれ、私たちが生きる世界のはるか上の「天界」に咲き広がっている花として扱われていますよ。
秋の彼岸に咲くことからヒガンバナと呼ばれ、そして、寺やお墓のそばに咲くのが多いことからは、何だか怖い花のように捉えられもします。ですが、天界に咲く花と思えば、むしろ幸福を象徴する花のような気もしてきませんか?
もしくは、例えば私たちの心に幸せが満ちるように、赤色には「心にある情熱が、この赤い彼岸花のようにさらに強く燃える」だったり、白色には「自分を顧みて正せば、この清くまっさらな彼岸花のような美しい心になれる」だったり、何か天界から私たちに向けられたパワーやメッセージが込められているとか。
此岸と彼岸が近づくときに咲くこの花には、何らかのか不思議なものが宿っているのかもしれませんよ?


2021年9月13日

隠された心"藪蘭"


いきなりですが、前にちょっとだけ触れたヤマガラのことを覚えているでしょうか。ヤマガラは秋の渡り鳥の一種として知られていますが、皆さんにとって秋の風物詩といえば、何が浮かびますか?
秋は栗も柿もおいしいし、花も彼岸花などありますが、私はきのこも捨てがたいなと、きのこ達を目の前にして思ったのです。もちろん他の季節にもきのこ達はいる。でも、やっぱりきのこからは秋の雰囲気を感じてなりません。自画自賛になってしまいますが、幾つか撮った写真を見ていたら、なかなか出来栄えが良いな。寺キノコ図鑑でも作れそうだと。何より、とてもおいしそうに撮れたじゃないかと。
あれ?改めて考えると、もしかして食欲の秋のせいで、きのこがより際立って見えているのかもしれない......。ちょっとだけ、そんな気もしてきたのは内緒です(笑い)。
さて、9月も写経の会、写仏の会を無事に行いました。参加いただきありがとうございました。写経は経典を書き写し、写仏は仏さまの姿を描き写します。何も気負うことはないので、初めての方も、開催時にはぜひ気軽にご参加ください。
また、この頃は参道に生える藪蘭が綺麗でしたね。花言葉は隠された心。六波羅蜜の一つ、「忍辱波羅蜜」と重なるような......。


2021年9月 6日

散歩日和


9月初旬、「今月は無事に開けたらいいな」と思っていたのですが、緊急事態宣言が続いていたため、真言禅の会は中止となりました。コロナウイルス、なかなかに手ごわいです。ちょっと落ち着いてきて、このまま終息するのかなと思いきや、またぐーんと威力を強めてくる。その繰り返しだな......。そんなことを考えながら、とある日の朝、虚空園から景色を眺めていたのです。ジュラシックツリーと灯籠の前にはバン字池、そして、その奥に本堂が見えますよ。
そのまま少し風に当たっていたのですが、不思議ですね。最初はもやもやとした気持ちがあったものが、だんだんと無心になっている。何だか少し頭の中がスーッと軽くなった気がしたのです。ただ、ぼーっと風景を見ていただけですが、瞑想につながっていたのでしょうか?どうやら、気づいたら「一人真言禅の会」を開催していたのかもしれません(笑い)。
ちょっと外の風に当たってこようか。ちょっと自然を見に行こうか。夏場は暑過ぎて、あまりそんな気持ちにもならなかったですよね。でも、これからの季節は涼しくて散歩日和なのではないでしょうか。久安寺の参道にも秋の風物詩の榧の実の落下がはじまり、その実をぱくりと食べたヤマガラの形跡もありましたよ。
ぜひ、秋は久安寺で「心の気晴らしさんぽ」や「瞑想さんぽ」を楽しんでみてはいかがですか。


2021年9月 1日

9月の予定


今度の日曜日の真言禅の会は緊急事態宣言中の為、中止といたします。
+
5日の真言禅の会は中止です。
<月例行事>
9月8日14時 写経の会
9月10日14日 写仏の会
9月15日14時 文化財公開の日
9月28日14時 不動護摩祈祷の日
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9月21日14時 御影供
9月23日11時 彼岸会


2021年8月26日

夏の終わり


8月下旬は、具足池にて経木塔婆を。池の中ではおたまじゃくしたちがすいすいと泳いでいて何とも可愛らしくて。ちょっと覗いてみると気配に気づいて逃げちゃいますが、そんな可愛いおたまじゃくしに癒されながら、盆行事を終えたことにしみじみとしたり、夏の終わりを感じていました。蓮の花も、いよいよ今年最後の1輪となり、仏塔の弁才天さまの後ろ辺りで、空に向かって真っすぐと美しく咲いていました。まるで、尺玉花火のラスト一発が名残惜しくも上がったかのような心地で、しばらく眺めてしまいました。来年もたくさん咲いてくれますように。
また、美しいと言えば、露草でしょうか。おおよそ7月から9月にかけて咲き、花言葉は「変わらぬ思い」。朝に咲いて、お昼には花が萎む露草です。その青色は美しく、咲く姿はとても可愛いらしい。そんな露草を見ていたら、ちょっとだけ秋の鈴虫を連想してしまったり。羽を広げた鈴虫と露草が咲いた姿って似ているな。露草ならぬ鈴草(スズクサ)だな!なんて。ほら、耳を澄ませたら、「リリリリ」と聞こえてきませんか(笑)?
8月はお盆に伴い、お休みとなった行事も幾つかありましたが、月例の不動護摩や盆行事に参加くださった皆様ありがとうございました。


2021年8月20日

施餓鬼会


お盆明けは、涅槃仏・経木塔婆や池田市・常福寺さんに施餓鬼法要の出仕、高法寺さんへの出仕、そして久安寺での施餓鬼会がありました。さらには、地蔵堂にて地蔵盆や町内6ヶ所のお地蔵様の巡拝を行いました。お地蔵様の前では、「オンカカカビサンマエイソワカ」のご真言を唱えますよ。御参列、御供養の方々ありがとうございました。
さて、その頃の久安寺で目を引いた花と言えば、参道に咲くテッポウユリです。初旬頃はウバユリでしたが、同じ白色をしていても、やっぱり見た目は少し違います。テッポウユリは開いた花の先が、海外ならラッパ銃、日本で言う鉄砲の銃口に似ていることで、そのように呼ばれているそうです。花びら一枚一枚の先がそれぞれくるっと外巻きに元気よく開いていますね。ウバユリはしなっとしているというか、お淑やかな感じがします。
ユリの花も菊などと一緒に仏花として供えられる一種ですが、もしかしたらご先祖様ごとに「あのユリよりこっちのユリのほうが好きだ」なんて、好みのタイプがあったりするかもしれませんね(笑い)。
ぜひいつか、聞いてみたいものです。


2021年8月11日

極楽浄土に咲き広がる花


8月上旬から半ばにかけてはお盆でしたが、今年は大雨、長雨の中でとなりましたね。そんな中で、とある朝の鐘のとき、何と水たまりに沢蟹を発見して少しほっこり。ちっちゃくて可愛いらしかった。
しかし、今年も例年のごとく猛暑で、仏塔での塔婆回向も、換気をしながらやっていたものの、大変暑かったですよね。ちょうどその頃が蓮の最盛期だったかなと思うので、久安寺の蓮の花が、皆さんにとってほんの少しでも夏の暑さを癒す存在となっていたのなら、うれしいです。
蓮と言えば、極楽浄土に咲き広がる花として仏様の象徴のように扱われていますが、お盆のようにご先祖様と私たちを結びつけるような時期にちょうど見頃を迎えるのもまた不思議な縁ですよね。花が開くときから散るときまではたったの4日という短命さ。でも、泥の中に根を張り、そこから茎を真っすぐと伸ばして綺麗な花を咲かせる始終は、私たちにとって「生きる在り方」のようなものを十分過ぎるほどに教えてくれる存在だなと感じます。
来年の今頃は、蓮をもう少しゆっくりと眺めたり、ご先祖様との時間を充実させたり、少し前まで何ら当たり前だったようなことがまた出来るようになっていてほしいですね。


2021年8月 5日

白いウバユリ


8月初旬のこと、ふと目に入った白いウバユリに「とても綺麗だな」と感じる、そんなひとときがありました。名前の由来は、花を咲かせたときには葉がおちてしまうことが多く、葉(歯)がないことから「姥」と付けられたとか。でも皆さん、知っていますか?英名になると、ウバユリがハートリーフ・リリーという可愛い名前に変わることを。
ハートなんて付くと、何だかピュアっぽさを連想させるネーミングに思えて、どちらかと言うとオトメユリ(姫小百合)のほうに似合いそうな気がしちゃいますが、その由来は、どうやらウバユリの葉っぱがハートの形に見えることから来ているのだとか。ちなみに、ウバユリには純真無垢といったピュアな花言葉がついていたり(笑い)。
さて、8月はお盆時期ということで、定例の真言禅、写経、写仏、文化財公開はお休みでした。
久安寺の仏塔では、盂蘭盆会の由来でおなじみの目連尊者、そして施餓鬼会の由来でおなじみの阿難尊者を仏塔にてお祀りしています。御自宅棚経・七日盆・仏塔盂蘭盆会・施餓鬼会・地蔵盆など、引き続きのコロナ禍ではありましたが、盆行事にご参加いただいた皆様ありがとうございました。


2021年8月 4日

8月の予定


盂蘭盆会の由来でおなじみの目連尊者です。
施餓鬼会の由来でおなじみの阿難尊者です。
仏塔にお祀りしています。
1日〜15日 御自宅棚経
7日6時 七日盆 
8日11時 仏塔盂蘭盆会
18日14時 施餓鬼会
23日20時 地蔵盆
28日14時 月例 不動護摩供


2021年7月24日

毎日3輪くらいの数で咲く朱雀池の蓮


8月が近づくにつれて、今年も蓮が開花を迎えました。蕾の数を、今日は幾つになっているかなと数えていて、最初は1つ、2つだったものが9つに増えたときもうれしかったのですが、やっぱり開花すると、より一層うれしくなりますね。
蓮は、「1.未敷蓮華 みぶれんげ(蓮の蕾)」、「2.初割蓮華 しょかつれんげ(綻び始めた蓮の花)」、「3.開敷蓮華 かいふれんげ(満開の蓮の花)」として、3回開閉した後に、4回目が開いたら、そのまま散りゆきます。3回目は、大分閉じが弱くなりますね。お盆過ぎまで次々に咲いてくれると思います。
弘法大師『般若心経秘鍵』には「蓮(はちす)を観じて自浄(じじょう)を知り 菓(このみ)を見て心徳を覚る」という言葉があります。ぜひ、久安寺に蓮を見に来たときには、目で美しさを見て、心に、蓮は泥の中で根を生やすこと、そこから真っすぐな茎を伸ばして奇麗な花を咲かせること、葉は汚れた水を吸収せずに弾き流してしまうこと、そんなふうに人は誰もが蓮のように生きられることを感じ取っていただけたら...。
そして、7月末頃、とつとして境内のどこかに出現した(笑い)、多分オニフスベじゃないかと思うのですが、巨大きのこもぜひ探してみてください!
今月も久安寺にお越しいただきありがとうございました。


2021年7月16日

杉ぼっくり


7月半ばには、文化財公開の日があり、宝物殿である阿弥陀堂を開けて、国重文・阿弥陀如来坐像、市重文・薬師如来像、市重文・釈迦涅槃図、市重文・久安寺縁起などをご拝観いただきました。
久安寺の月例行事には、写経や写仏といった実際に肌で感じる体験、そして、こういった目と心で感じる体験もあります。どちらも気軽に参加いただけたら、うれしいです。
さて、とある雨の日のこと、参道のちょうどお地蔵さんと灯籠がある辺りでしょうか。オレンジ色の野萱草(ノカンゾウ)に目を引かれました。野萱草というと、花言葉は、愛の忘却。しかし、愛を忘れると聞かされても、何が何やらと思ってしまうのですが、どうやらこの花には「憂いごとを忘れる」という言葉もあるのだとか。
つまり、愛に関連する悩みや苦しさを忘れさせてくれるといった解釈になるのですかね?
そして、これも個人的な読み解きですが、「嫌なことは引きずらず、忘れて次に進めばいい」と。野萱草にはRestart(再出発)への背中を押してくれるような言霊もあるのかな...なんて。いや、あったらいいなという、ひとり言ですね(笑い)。
また、仏塔横の杉ぼっくりだったり、自然に咲いた鬼百合にも目が引かれて、興味深く観察してしまったり。
松ぼっくりもかわいいけれど、杉ぼっくりもかわいいですよね、丸っこくて。
杉ぼっくりを眺めた翌日に、特徴的な鬼百合を見たせいか、何だか...杉ぼっくりが鬼百合という生物を生んだ卵のように見えてしまったのは、内緒です(笑い)。


2021年7月 9日

ロータス効果


7月は、写経の会や写仏の会に加えて、真言禅の会もひっそりと開きました。参加いただいた皆さん、ありがとうございました。真言禅の会は、1月と8月を除いた第1日曜日の朝8時から9時に行っています。初めての方も大歓迎なので、都合のよいときにぜひご体験ください。
さて、あじさいうかべも終わり、そして睡蓮も見頃を過ぎれば、次の主役は蓮に移っていきますが、皆さん、ロータス効果というものはご存じでしょうか。
蓮の大きな葉の上で、水をぷっくら丸く弾いているような現象を見たことありませんか?何というか、透明なおはじきが乗っているような(笑い)。
それがロータス効果というらしいのですが、どうやら蓮の葉って、絶対に濡れないんですって。自浄作用が働いて、吸収せずに弾いて流し落としてしまうのだとか。
蓮のことわざに「泥中の蓮」というものがあって、それは「泥の中で生まれても、清く美しく育つ」というような意味で蓮の生きざまと重ねられているのですが、いざ改めて目にすると...神秘的というのか、仏様の花と呼ばれるだけあって、思わず拝みたくなる感覚を味わいました。
すごいですよね。絶対に汚れない。
しっかりと自分を持ち、悪い影響にも惑わされずに、真っすぐと育つ。
まるで、私たちにその姿から生き方を教えてくれているような気がしませんか?

2021年7月 3日

ほそごう学園のかわいらしい生徒さん

7月初旬、名残惜しくも、今年のあじさいうかべが終了しました。はじまりから終わりまでを数えると、25日間だったでしょうか。
終わり間近には、ほそごう学園の2年生のかわいらしい生徒さんがやってきてくれましたよ。久安寺を案内したり、具足池の前でおはなしをしたり。そんな中で、夏の暑さにも負けず、みんなきちんと言うことを聞いていましたね。偉かったです。
また、ちょっと印象的だったのが、ちょうど子どもたちが帰った後から、ぽつりぽつりと空から雨が降ってきたことです。ついさっきまでは青空だったので、もしかしたらアジサイの付喪神様(つくもがみ)が、無事に子どもたちを迎え終わるまで力を貸してくれたのかもしれないな、なんて。ふとそんなことを思ってしまったのでした。
今年も、あじさいうかべのシーズンには多数の方々が参拝にきてくれましたね。
コロナ禍ということで、限られた時間を譲り合いながら、静かにお楽しみいただきました。皆さんの協力に感謝です。本当なら、アジサイの花言葉の一つ「団欒(だんらん)」のように、アジサイ前でみんなが集まり、談笑しながら過ごせたらうれしいのですが...それは来年に持ち越しですね。
「1年後も、また元気いっぱいに咲いてくれますように」とお願いしておきましたので、きっと、もっとエネルギッシュに咲いてくれるはずです(笑い)。
ですので、皆さんも、ぜひまた元気な顔をアジサイに見せに来てください。

2021年6月30日

NHK大阪の「ニュースほっと関西」

皆さん、住職がチラッと出演したNHK大阪の「ニュースほっと関西」はご覧になられましたか(笑い)?
実は、6月の最終日のこと、久安寺のあじさいうかべの様子をテレビ局が取材に来たんです。アジサイを具足池へと運ぶところから、そっと水面に浮かべていくまでの様子をカメラの前で披露しました。
具足池のアジサイは、毎朝3分の1ずつを入れ換えながら、それを最終日まで続けていくのですが、浮かべ始めが少量だったのと逆に、今度は浮かべ納めに向かうにつれて、アジサイの数が増えていきますよ。
このアジサイたちは、会いに来てくれたお一人お一人に何かを感じてもらうことで、無事に役目を終え、そして枯れていきます。

また、参道に咲くアジサイの中には、幸運をもたらすハート形のアジサイが、毎年どこかに一つは咲いてくれているので、ぜひ見つけてあげてください。
「今年は、受付から入った北10メートルの辺りにありましたよ」と、こっそり。
そして、久安寺は花の寺なので、アジサイのほかにも沙羅、睡蓮、菩提樹、ホタルブクロがかわいい花を咲かせています。6月の見どころとして、とってもおすすめです。

最後に、関西花の寺霊場巡礼の団体さまをはじめ、お越しいただいた皆さん、ゆずりあう心を持ってあじさいうかべを楽しんでいただきありがとうございました。7月もどうぞよろしくお願いいたします。

2021年6月15日

あじさいうかべ

一日一日、久安寺のアジサイが5分咲きから7分咲きへ、そして8分咲きから満開になり、6月半ばには具足池いっぱいのあじさいうかべになりました。ここに至るまでは、天候が晴天過ぎて「雨が欲しくてたまらないよ」なんて、勝手にあじさいの声を代弁してみたくなったり(笑い)、雨が降ったかと思えば、今度は雷プラス豪雨だったりで、夜中にすごかったですよね。

あじさいうかべは、皆さん、本当にとても楽しみに待っていてくれているようで、土日には臨時駐車場もいっぱいでしたね。「密を避けて、ゆずりあう気持ちを持って」。誰もが楽しむために、皆さんの協力と優しさに感謝です。

さて、前に柏葉紫陽花を上げたことがありましたが、ひとえにアジサイと言ってもいろいろな品種があるんですよね。一般的によく見かけるのは西洋アジサイとか、ガクアジサイでしょうか。久安寺にも咲きますが、ほかには、渦紫陽花(別名:お多福紫陽花)や墨田の花火(七段花)だったりと。
そんなアジサイの上で、とある日にカタツムリが、まったりと休憩されているところを発見。アジサイとカタツムリというと、アジサイの葉には毒があるからカタツムリは乗るわけがない!とか、いいや、乗っているよ!なんて意見が二極化するとか?
うーん。久安寺のカタツムリの場合、花の上に乗っていたわけで。これは一体どっちに一票を投じるべきなのだろうか?...なんて(笑い)。

2021年6月10日

アジサイの開花

6月上旬は、久安寺定例の写仏の会、写経の会がありました。ご参加いただいた皆さん、感謝です。真言禅の会は中止でしたが、次の開催時には、ぜひご参加お待ちしています。
また、アジサイの開花が進み始め、今年のあじさいうかべは10日からのスタートでした。最初は、まだ全体的な咲き具合が5分咲きだったりで、どうしても浮かべる数は少ないですね。それでも、具足池にアジサイがちょこんと浮かんでいれば、「ああ、美しいな」と心を持っていかれました。

アジサイの花が開き切り、見頃を迎えた頃に摘み取り、水に浮かべる「あじさいうかべ」。奇麗なだけじゃなく、涼しさも感じ、最早、初夏の風物詩でしょうか。
夏に食べる水ようかん、水まんじゅう、そこにあじさいうかべも...「水あじさい」として夏の3種に加えてみたり(笑い)。

そして、この時期はアジサイ以外にも夏椿が魅力的でおすすめです。地蔵堂、仏塔付近に咲く3本の夏椿(別名:沙羅)。一つひとつは、咲きはじめから咲き終わりまで、たった1日なので、一日花と呼ばれています。散るときには、椿のように花首からぽとりとそのままの形で落ちていく...。
たった1日の命でも、懸命に咲いて、そして終えていく姿は、美しくも儚いですよね。

2021年6月 4日

先陣を切ってくれたのが柏葉紫陽花


6月と言えば、いよいよアジサイの季節ですが、初旬は、アジサイの見頃が「今か、今か」と待ち遠しいときでした。そんな中で、先陣を切ってくれたのが柏葉紫陽花です。よく見かけるアジサイとはちょっと違い、柏の葉っぱみたいな形に咲くのが名前の由来とか。
私としては、柏の葉よりも、春に咲くあの花と似ているような...と感じたり。花を摘んで振ったのなら、今にも「しゃららん」と聞こえてきそうな、まるで神楽鈴を連想させる「ムスカリ」を大きくしたような、そんな感じに思えましたね。色は白と青紫で違うのですが。

また、初旬の久安寺は、境内に君が代蘭・金糸梅(キンシバイ)・蕺(ドクダミ)・山萩(ヤマハギ)が奇麗で、楼門付近では花菖蒲が可憐で、地蔵堂付近には沙羅が咲き始める。そんな花模様でした。
花を見ていると、ついつい何かを連想してしまう癖があり(笑い)、蕺の花を眺めていると、どことなく山法師と似ているような...なんて思ってしまいましたね。白い花の真ん中から、ぽっこりとしている辺りが似ていません?
ちなみに、蕺の花言葉は「野生」とか。生命力がとても強く、ちょっとやそっとじゃへこたれず、すくすくと成長するという、何とも逞しい性格の持ち主ですね。ぜひ見習いたい!

2021年5月30日

胎蔵曼荼羅の相をもつ霊園

5月下旬のこと、今年もモリアオガエルの卵塊が産み付けられているのを発見!すべて池の上です。モリアオガエルは大阪府の準絶滅危惧種に指定されているので、うまく孵ってほしいですね。ちなみに、雌が泡の中に産卵し、雄が集まってきて受精。約10日後に孵化し、オタマジャクシの子が雨を待ち、泡とともに池に落下するという生態です。
そして、この頃2回目の具足池掃除も行ったのですが、大師の岩の下からも生命との遭遇が。ドンコとカニの子供たちを見つけました。大師さまと一緒に過ごし、どんな話をしていたのでしょうか?
何はともあれ、久安寺が植物だけでなく生き物たちにとって過ごしやすい場所になっていたのならうれしいですね。
これからの時期は、紫陽花やハスが咲くのが楽しみですが、その前にはサツキや睡蓮やブラシノキが見頃を迎えます。胎蔵曼荼羅の相をもつ霊園に浮かびあがるように咲くサツキ、ハスを出迎えるように朱雀池にて先に待つ睡蓮、「儚い恋」という花言葉を持ったブラシノキ。
当山には入れ替わりながら、重なりながらさまざまな花が咲いて皆さまをお待ちしております。
今年も早くも折り返し地点まで来ました。そろそろ疲れがどっと出る頃でしょうか。心を頑張らせすぎず、時には休息を取りに、いつでも久安寺まで癒されに来てください。

2021年5月17日

雨に濡れた山法師

5月半ば、当山にて雨に濡れた山法師の姿在り...なんて。そんな言葉にしてみると、何だか「5月のとある雨の日に、法師さまが修行の道すがら、久安寺にて雨宿りをしている」そんな情景が浮かんだりしませんか?実はこれは、久安寺に咲く山法師(ヤマボウシ)の花が雨に濡れていた日の風景を伝えようと思っただけなのですが(笑い)。山法師の名は、真ん中に球形の部分があり、そこが法師さまの頭に見立てられ、周りの白くひらひらした部分が法師さまの頭巾を連想させるから付いたとか。
さて、その山法師は梅雨頃から咲き始めると聞きます。なので、もう梅雨入り?まさかな。まだ早いよなと思っていたら、今年の梅雨入りは平年よりもすごく早かったみたいですね。ちょうど山法師に意識が向いた日と梅雨入りが重なっていたのでびっくりしました。
梅雨の晴れ間に日に照らされるカルミア、箱根空木(ハコネウツギ)が綺麗で癒されたり、大雨警報の発令下で懸命に生える境内のきのこ達からは逞しさを感じたり、植物たちからいろいろと心を揺さぶられたり。
その中のカルミアですが、くるりとひっくり返すと傘のような形をした花びらが特徴的です。そして、花言葉は大きな希望とか。どんな世の中であっても希望を持って、それを育ませたいですね。

2021年5月11日

お掃除日和

5月は真言禅の会は残念ながら中止でしたが、写経の会、写仏の会、文化財公開といったほかの月例行事は無事に行いました。15日は阿弥陀さまの御縁日でもありましたね。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
コロナがあり、時には開催できない物もありますが、開催するに当たっては写経を行うスペースを広く設けるなど対策をしっかり取っているので、初めての方も常連さんも気軽に参加くださいね。
また、当山には四国八十八ヶ所霊場のお砂ふみ、実際のお砂をお祀りしている「弥勒山めぐり」の巡拝コースがございます。参拝や行事のついでに健康増進、カラダと信仰を温めてみるといったセットで楽しむ久安寺もおすすめです。1周1km。御影堂のとなりから出発して、大体40分くらいでしょうか。
ただ、その際に一つだけご注意を。「火気厳禁」だけはくれぐれも。
また、5月の前半には具足池の掃除もせっせとしていました。岩の上の大師像をきれいに。そしてオオカナダモを取り除いたり。底に生息していたフナなどは別の池にお引越しです。
天気が良い日に決行したのですが、空が晴れるとお掃除日和だけでなく花もより映えますよね。真っ白なオオデマリや濃いピンク色のセイヨウシャクナゲや黄菖蒲だったり。
そんな中で、花が開く前のセイヨウシャクナゲの蕾が何だかドラゴンフルーツのように見えてしまったのは...内緒です(笑い)。

2021年5月 3日

あじさいうかべ

そろそろ今年も紫陽花(アジサイ)の季節が近づいてきたかな。なんて思っていたちょうど5月初旬のこと、当山の「あじさいうかべ」の様子を朝日新聞社が、購読者向けに毎月発行している小冊子・スタイルアサヒ6月号の表紙にしてくださるという、うれしい出来事がありました。感謝です。
久安寺ではすっかり花が開ききり見頃を迎えた紫陽花を摘み取り、具足池に浮かべる恒例行事があります。その時期を楽しみにしてくださる方も多く、私も既に待ち遠しく思っています。今年も紫陽花が健やかに育ってくれるといいですね。
また、この頃は今年最初のジャーマンアイリスを二輪見つけました。そして、このジャーマンアイリス、何と別名ではレインボーフラワーとも呼ばれているんですって。境内に咲いた紫や黄色以外にもさまざまな色の花を多種咲かせることで、「まるで虹のようだね」と例えられているとか。
花言葉は情熱なのですが、別名を知ったら、どちらかというと虹のように幸せをもたらしてくれるような気がしてきたり...。花言葉で表わすとしたら、そのまま「ハッピー」みたいな(笑い)。
さて、皆さんはジャーマンアイリスからどんな心を感じるでしょうか?

2021年4月26日

カタツムリも境内を散策

5月も近づけば、イチハツに、ボタンに、ヒラドツツジにと、春の久安寺は花を追いかけるのに大忙しです。なんて、ちょっとだけ絵本風に書き始めてみたり(笑)。
ちなみにイチハツは、アヤメの中で一番最初に咲くことから「一初」と言うとか。花言葉は「付き合い上手」らしいのですが、その理由が分からず気になっています。一番目に咲くから、先輩アヤメとして後輩アヤメたちに色々な知恵を教えてあげられるから付き合いやすくなるとか...?うーん、何でしょうね。もし知っている方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。

そして、この前のカタツムリに続いて、近頃、人ではないものたちが当山に散策へいらっしゃっています。まずは参道中央の栂の木の下にて、かぶとむしくん。そして、「The monkey came to the temple.」となぜか英語で言ってみましたが、「お猿がお寺にやってきた!」です(笑い)。どちらかと言うと、散策よりもご参拝だったかな?さらに、バン字池にはカモのつがいが来ていて、こちらは散策デートでしょうね。彼らをほっこりとしながら眺め、幸せを感じるひとときでした。

4月は真言禅の会にはじまり、月例最後の不動護摩祈祷まで無事に開けました。皆様に感謝です。

2021年4月23日

ヤマブキの花

「七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞかなしき」 『後拾遺集』兼明親王

ずっと昔から春の季語として愛されてきたヤマブキの花。久安寺の参道にもヤエヤマブキが生えていますよ。「ヤマブキには実がなり、ヤエヤマブキには実がならぬそうな」とも知られるとおり、山吹色の花を咲かせるところは同じでも花のつき方が違います。ヤマブキは平たい花びらの中央に実がなっていて、ヤエヤマブキは花びらが幾重にもなってボリューミーな感じですかね。地面から細長い茎が生え、先が枝垂れているところに花がポンポンとついていて、ヤマブキが持つ「気品」の花言葉によりぴったりな気がします。自然に土から生えて花がありのままに咲いているだけなのに、そこがまるで生け花の作品かのように見えてしまって(笑い)。
最近は、カメラを持って久安寺の花々を楽しんでくれる方が多いのですが、春はゴージャスなヤエヤマブキもおすすめですよ?

また、参拝に来られるのは人だけでなく...と言っても怖い話ではなく、たしか月例の文化財公開の前日だったか、カタツムリが境内散策されているところを見かけました。「一切衆生悉有仏性」一切衆生、悉く仏性有りと『涅槃経』にありますね。すべてのいのちは美しいものです。そっと見守らせていただきました。

翌日の阿弥陀さまの縁日、文化財公開日のご参拝ありがとうございました。

2021年4月12日

ありがたいひとときに感謝

4月も月例行事の真言禅の会、写経の会、写仏の会を開きました。また、花まつりもありましたね。花まつりは、おしゃかさまの誕生日をお祝いする日で、随時、甘茶をおしゃかさまに注いで拝みます。ご参拝いただいた方々に感謝です。皆さん、めがね菓子は忘れずにお持ち帰りくださいましたか?

この頃は少しずつ桜が散り始めを迎えていましたが、代わりに他の花々、特に日本石楠花、著莪、八重山吹辺りが見頃だったでしょうか。その中の著莪は、アヤメ科・別名は胡蝶花とも言うのですが、白く綺麗な花に対して葉っぱの部分がとても滑りやすいというギャップをお持ちとか。なので、久安寺とも縁ある豊臣秀吉公などが生きた時代では、著莪は敵兵が登ってこないようにする目的で生やしたりもしていたんですって。眺めれば美しく、そして身を守ってくれる花なんて...頼もしいというか、かっこいい、いや魅力的なギャップですかね(笑い)。

また、4月10日には梅田の太融寺さまの開創1200年記念大法会の開白の法会があり、出仕させていただきました。お天気も最高で、綺麗な牡丹桜の前で写真も撮っていただきましたよ。さわやかな、ありがたいひとときに感謝、そして何よりご開創おめでとうございました!

2021年4月 9日

紅花常盤万作

3月から既に春は到来していたと思いますが、日めくりが進むとさらに春感が増して、本山入り口に咲く 美山躑躅を見ながら「冬を無事に越えたのだな...」なんて、しみじみと思ってしまった4月初旬のことでした。

この季節はさくら色の花が多く見えますが、よくよく見ると同系色でも雰囲気が違うんですよね。桜はどちらかと言うと可愛らしい感じ。美山躑躅はちょっと大人っぽさを感じるような。人もそうですが、似たように見えたとしてもひとつとして同じもの(花)はないのでしょうね。
ちなみに美山躑躅の花言葉は自制心です。穏やかな季節を迎えつつも、まだまだコロナ禍の中なわけで「欲望のままに動きすぎてはダメですよ」とメッセージを伝えているかのような、そんな諭してくれる部分も大人っぽい気がしません?

何だか花言葉って絶妙と言うか、その言葉を授けた人ってすごいですよね。
紅花常盤万作には「魔力」、シモクレンは「恩恵」だったりと。シモクレンと言えば木の上に咲く仏さまの花としても知られ、日々、数えきれないほどの恩恵をいただいていますね、我々は。
紅花常盤万作は独特の花びらと言うか、たしかに魔力を持っていてもおかしくない気が...なんて(笑い)。今まで気づいていませんでしたが、久安寺にはメッセージ性が高い花が多い?
ぜひ参拝に来たらいろいろと見つけてみてくださいね。

2021年4月 2日

4月の予定

深山躑躅。
花言葉は「自制心」
綺麗。

ミヤマツツジ
深山躑躅
Azalea
ツツジ目ツツジ科ツツジ属
開花3月〜4月
原産日本中国アジア東部
花言葉 自制心

【4月の予定】
4日8時 真言禅の会
8日11時 花まつり降誕会
8日14時 写経の会
10日14時 写仏の会

2021年3月29日

ご利用ガイド2021年度保存版

春の彼岸が過ぎ、目に映ったのは白いモクレンの花。
モクレンの花が「木に咲く蓮」と書いて木蓮と呼ばれるのには、よく仏さまと一緒に蓮の花が描かれますが、それと似ている形で木に咲くことから、そのように言われていたりします。
蓮が咲くのは夏頃なので、まだもう少し先になりますが、春の季節も仏さまが「ここから見守っていますよ」とほほ笑んでくれているように感じたり、それと同時にハッとさせるような感じもあったり、何だか不思議な花です(笑い)
白モクレンの花言葉は高潔な心ですが、「高潔」には「私利私欲を持たず、誠実なさま」といった意味があるそうですよ。上を見上げると、まるで仏さまからの教えをいただいているようで...急にシャキッともしちゃいますね!

虚空園にはシダレザクラや赤八汐躑躅、楼門・御影堂の鰐口や境内に点在しているソメイヨシノだったり、それからシャクナゲだったり、春らしい桃色が見え始め、これからますます咲き広がっていくのでしょうね。

尼崎信用金庫さんの「あましん元気Aクラブ」のご利用ガイド2021年度保存版には、季節を感じる花のおでかけのページに久安寺のアジサイの頃を掲載していただいたのですが、今年も花の寺・久安寺にてたくさんの人に癒しのひとときを過ごしてもらえたらうれしいです。

2021年3月19日

六波羅蜜

3月の半ばを過ぎると、春のお彼岸がはじまりました。六波羅蜜による「布施:人のためになる行動をする」、「持戒:決まり事をしっかり守る」、「忍辱:広い心で耐えてみる」、「精進:努力を怠らない」、「禅定:心を取り乱さずにいる」、「智慧:5つを通して正しい知恵を身につける」日常の感謝とご先祖の供養をしながら、彼の岸に到る徳目についてを考える、そんな1週間になります。
久安寺では仏塔にて彼岸法要・塔婆回向、本堂にて彼岸護摩供、そして御影供を行い、皆さんに書いていただいた護摩木のお願い事もきちんと修めさせていただきました。
また、当山では愛犬納骨塔にて愛犬の塔婆供養もしています。「家族の一員だったね ありがとう」とお盆、お彼岸の年3回伝えています。彼岸会、西国薬師団体様はじめ、ご参拝くださった皆さんありがとうございました。

その頃は、本堂の仏塔にて青紫色のムスカリの花が可愛く咲いてくれていました。空に真っすぐ伸び、スズランのような小さな花が幾つも上についているのですが、何だか、あれ?神楽鈴にも見えるような...。ムスカリの花言葉は「通じ合う心」。きっと皆さんの供養の心はご先祖さまに届いたはずです。

2021年3月11日

桃色系千重咲きのツバキ

ツバキと言えば、私たちと一緒に寒い冬を耐えて、懸命に美しさを見せてくれる花ですが、品種によって四、五月ぐらいまで咲いてくれます。冬と言えば、真っ赤なツバキ。春は白ツバキや桃色ツバキでしょうか。久安寺でも、白や千重咲きの桃色ツバキ(別名:乙女椿)が見られますよ。しかし乙女椿には、一体どんな由来が込められているのでしょうね。綺麗で見惚れてしまうから、とかでしょうか(笑い)?
また、現代の春を代表する桜、カワヅザクラも蕾の開き具合は様々ですが、咲き始めました。その花言葉は純潔だとか。

前にも言ったとおり、江戸時代よりも遡ると、実は梅のほうがより春の代表というような捉え方をされていたという話もありますが...見れば見るほど、うーん、どっちも甲乙なんてつけられませんね。
昔からツバキも梅も桜も和歌などの季語に使われていたり、それぞれに魅力がありますからね。
ちなみに、今も昔も変わらず愛される品種ですが、ツバキは「おちる」、梅は「こぼれる」、桜は「ちる」と花の咲き終わりの表し方が、こんなふうに違うんですって。

3月半ばは、阿弥陀さまの縁日、そして月例の文化財公開がありましたが、ご参拝いただきありがとうございました。

2021年3月 1日

フォトスタンド

3月初旬は月例の写経の会、写仏の会がありました。
そして、コロナによって中止していた真言禅の会もやっと再開できましたね。ちょっと前までは当たり前にできていたこういった体験の場が、コロナ禍に入って以来なかなか思うようには行えず、寂しさあり、心苦しさあり...。という感じだったのですが、それを経て、今は、体験を通して皆さんのお顔を見られることのありがたさや、うれしさが大きくなっています。参加いただいた皆さんに感謝です。

また、久安寺の境内にも春が増すばかり。外に目をやれば、梅や山茱萸(サンシュユ)の穏やかで暖かな色が映ってくるので、さらに心がほっこりしていました。梅には、よく見るような枝がぴんと伸びているところに花をつけるタイプもあれば、枝垂れ桜みたいに枝が垂れ下がっているところに花をつける「枝垂れ梅」もあるんですよ。皆さんは、どちらがお好みですか?

虚空園に咲く山茱萸もまた、白や薄桃色の梅の中に映えてきれいでした。鮮やかな黄色をしているのですが、その美しさから「春黄金花(はるこがねばな)」とも言われているんですよ。木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝いて見えるからだとか。

そんな山茱萸が際立つような天気のよいとある日には、フォトスタンドにしてもらった栂の木、しめ縄。軒丸瓦。具足池の写真をちょっと庭に飾ってみる、なんてことも...(笑い)

2021年2月26日

スケッチ日和

3月が近づくと、久安寺の境内に、ぽこぽことふきのとうが顔を出しはじめました。花が開く前のふきのとうのつぼみを見つけると、冬将軍を追いかけ、春の先陣が到着したようにも感じませんか?大将は、現代ならやっぱり桜ですか?
少し前には冬ツバキもぽとぽとと落ちだしていたので、それもあってか「季節は進んでいるんだなぁ」と実感しているような気もします。

花の散りどきというのは、ひらひらと花びらが落ちていくことが多いのかなと思うのですが、ツバキはそのまま花首より落ちるんですよね。
せっかく花首まで残っていて、まだこんなに鮮やかな色をしているのだから、ツバキも何かできないだろうかとちょっと思ったり。冬の花浮かべ...どうでしょうかね(笑)。

また、境内には、以前からロウバイやピンクの梅が咲いていたのに加え、ハクバイも混ざってきました。
何だか青空の日も増え、暖かくなってきたので、そんな日和のもとで鐘堂、本堂、花々をスケッチするのもおすすめですよ。
春を感じに、ぜひ久安寺へ。お待ちしております。

2021年2月22日

池田市指定の重要文化財

2月15日は、月例の文化財公開日であり、また釈尊涅槃の日でもありました。今から2500年前、おしゃかさまがご入滅となった日です。
おしゃかさまが悟りを開かれた日、そのお姿を描かれた涅槃図というものがあります。阿弥陀堂にお祀りしている涅槃図を前に、しっかりとおまいりさせていただきました。

久安寺の釈迦涅槃図は、池田市指定の重要文化財で、18C江戸中期に大坂の画家、大岡春トによって作られました。この時代の絵師と言えば、狩野派が有名で、彼らが描いた壁画や襖絵が残っていて、今の時代でもファンが多いですが、大岡春トも狩野派として活躍されていたそうですよ。

また、21日は弘法大師空海、お大師さまの報恩日でした。今から、大体1186年前でしょうか、3月21日にお大師さまが高野山にてご入定されました。生涯を自分のためではなく、世に対してや人々のために捧げられたお方ですので、毎月の21日はお大師さまの日とされています。どちらの日も、良いお天気の日に行えましたよ。

なかなか自分の人生を「他のために」というのを実行するのは難しいですが、ときどきでも「他を優先」に動くことができたら、十分です。
電車で席を譲るでもいい。車で道を譲るでもいい。何でもいいんです。

2021年2月15日

梅の花言葉

2月の第一日曜日、本来なら月例行事の真言禅の会を行っているはずでしたが...緊急事態宣言が解除されるまでは中止としているので、ちょっと寂しいですね。カレンダーを見ながら、来月は開けるようになるといいなと拝んでしまったり。

その他の月例行事は、密にならないようにスペースを空けた上で通常通りに行っています。
2月も写経の会、写仏の会を開きました。写経は般若心経を書き、写仏は仏さまの姿を描く。どちらも1時間ほどです。コロナ禍という状況下ではありながらも、檀家さんではない方々が、写経と写仏それぞれにフレッシュな顔ぶれでご参加くださって、「ありがたいですなぁ~」と思うばかりでした。本当に皆さまにはいつも感謝、感謝です。
これからの久安寺は、花の寺らしく色々な花を楽しめる季節に向かっていくので、花見と一緒にお気軽にご参加くださいませ。

4月までは御影堂、鐘堂、本堂で梅が見られますよ。
江戸時代以降は「花見」と言えば桜ですが、万葉集には梅の歌の方が桜より圧倒的に多くありますように、平安時代以前は花と言えば、梅を指すことが多かったそうな。
梅の花言葉は「忠実」ですよ。

2021年2月 8日

節分

2月初旬は節分があり、久安寺では3日の夜に本堂で節分会星供を開きました。
「節分」と言えば、2月3日に鬼に向けて豆をまき、それが厄払いとなって福を呼ぶというのが一般的ですが、もともとは四季を区切ることを「節分」として、春夏秋冬それぞれの始まりの頃をそう呼んでいたとか。だんだんと今のように2月が主流になっていったようですね。そう考えると、節分が年に4回あったら、鬼さんの出動は4回に増えるのか...なんて(笑)。ちなみに、鬼に豆をまくのは「鬼」が邪気の「気」とかけられているからだとか。
コロナの緊急事態宣言の中ということで、少し寂しい節分会になりましたが、無事に行えたこと、そしてお集まりくださった方々に感謝でした。

ちょうど節分の頃は本堂から見えるロウバイが綺麗なときでもあり、目にするたびに心が癒されていましたね。また、愛宕将軍地蔵尊のそばにはピンクの梅もちらほらと。
将軍地蔵さまというのは、本来「戦に勝つぞ!」という勝負ごとにお強い神さまなのですが、青空のもとで淡い色に添えられているところを見ると、いつもの凛々しさとはまた違って、何だかとても可愛らしいお姿だな~と思えました。

2021年2月 1日

2月の予定

アオサギ飛ぶ。
近づいたら、いったん飛んで逃げますけども。
アオサギ。仏塔横。
【2月の行事】
8日14時 写経の会
10日14時 写仏の会
15日14時 文化財公開の日
28日14時 不動護摩祈祷の日

※真言禅の会は緊急事態宣言が解除されるまで中止とします。

2021年1月29日

蝋梅

1月下旬は、尊鉢厄神・釈迦院さんの大般若経転読法要に出仕をしたり、初大師に出向いたり、不動護摩祈祷をしたりと身が引き締まる日々つづきでした。
大般若経転読法要によって吹く「梵風:ぼんふう」。そこには大般若経の言葉の力も込められているため、梵風に当たることによって厄払いを受けられたり、本来なら600巻に説かれている教えの御利益までも一緒に受けられたりという、大変ありがたいものであったり。ですので、皆さま、機会があるときはぜひご参加がおすすめです。

さて、今年も花の寺らしく、久安寺の花たちを紹介していきますが、1月下旬は黄色いWinter Sweet(蝋梅)だったり、ピンクの梅だったりがチラホラと咲きだしましたね。
蝋梅は、梅の1種ではないのですが、花の形が梅と似ているところからそう呼ばれているようです。
花言葉は、「迷わないように導いてくれる(先導)」、「大事が起きる前に見抜く力をもたらす(先見)」、「愛情に満ちている(慈愛)」というもので、何だか改めて意味を考えると、とても縁起のいい花に思えませんか?

また、蝋梅は優しい香りを持っていて、ロウソクの香りとしても人気があるとか。開花している2月いっぱいは直接に目で見て感じ、ほかの季節は匂いで感じるという2つの楽しみ方を味わうのもまた素敵ですね。

2021年1月16日

とんど火

1月中旬は小正月行事の「とんど火」がありました。
当日までは冬らしい空模様が続き、虚空園、仏塔、ジュラシックツリー、弁才天が雪化粧をしているかと思いきや、具足池なんて凍っていましたからね。岩の上に立っている弘法大師像を一瞬、氷像と見間違えましたよ(笑)。
そんなこともあり、空模様をちょっと心配していたのですが、当日は願いが叶ったのか青空の下でのとんど火、そして文化財公開も行えました。

とんど火と言えば、日本の各地によって、その呼ばれ方は様々あるようですが、注連縄や正月飾り、古いおふだ、御守り等の「燃えるもの」を焚き上げ、その炎によって大きく空に向かって伸びる煙が年神様を天に帰すのだと言われています。
今まで支えてくれたものに対し、私たちが感謝を込めて焚き上げることが供養となり、ものによく宿るといわれる付喪神たちを年神様が引き連れて行く。
何だか、そんな様子が思い浮かべられたりもしませんか?

まだコロナが終息しきらず、場所によってはお焚き上げの中止を余儀なくされたところもあるようですが...、そのような中でも無事に行うことができたのは、ありがたいことでした。

2021年1月11日

写経

三が日の新年初護摩祈祷から始まり、令和3年、最初の写経の会、写仏の会を無事に開かせていただきました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございます。
月例行事なので、今年もたくさんの人に参加してもらえたら、うれしいです。特別に何かを準備したり、よしっ!と意気込んだりとか、気難しいことは全くないので気軽にいらしてくださいね。

写経は、もともとは仏教の修行のひとつで行っていたもので、その教えを心込めて書き写すことがよい行いとなって、やがて自身のもとに幸せをもたらしてくれると言われています。写仏は仏様のおすがたを描くことで、写経と同じ御利益が与えられるものです。
また、どちらとも自分の心と向き合うことにつながって自律神経が整うとか、リフレッシュにつながるなんてことも言われていますよ。

せわしい毎日の中では聞こえてこない心の声も、ちょっとだけ喧騒の中から抜けてみることで聞こえてくるかもしれません。
それが心を軽くすることにつながったり、ストレス発散でも何でも、久安寺が皆さんにとって心晴れる場所のつなぎ役になれたら、とても素敵なことですね。

2021年1月 3日

開運の鐘

昨年の大晦日は、うっすら雪が一面に広がる寒い中、そしてコロナ禍とともに迎えることになりましたね...。
そんな中ではありましたが、変わらず久安寺に除夜の鐘を撞きにいらしてくれた皆さんに感謝です。

お正月というのは年神様がそれぞれの家にいらっしゃる日ということで、その前夜に当たる31日には年神様がもうすぐそばまで来ているんですね。なので、除夜の鐘を撞いて願いを唱えると「その願いが年神様の耳に届きやすい」と言われていたりもします。実は、新年に交わす「あけましておめでとうございます」という挨拶は、我が家にやって来た年神様に向けての祝詞(のりと)というものでもあったりするんですよ。

とはいえ、大晦日に鐘を撞ける人ばかりではありませんよね。
そんな方々は、次に久安寺に参拝に来たときには、ぜひ「開運の鐘」を撞いていってください。2撞きすると開運のご加護を受けられますので。

また、ご加護ということなら、四国八十八か所巡りと同じ御利益をいただける、お砂踏みの巡拝コースもおすすめです。一周すると大体40分くらいでしょうか?山上では弘法大師像が待ってくれているので、お会いになったら手を合わせてみてくださいね。

2021年1月 1日

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

佳き一年になりますようお祈り申し上げます。


【1月の行事】
10日14時〜15時半 写仏の会
15日10時〜随時 とんど火
15日14時〜15時 文化財公開の日
21日14時〜15時 初大師
28日14時〜15時 不動護摩祈祷の日