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久安寺ブログ

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2023年5月 1日

5月の予定

紫蘭が少々。
「あなたを忘れない」

5月7日日曜日8時〜9時 真言禅の会
5月8日月曜日14時〜15時 写経の会
5月10日水曜日14時〜15時半 写仏の会
5月15日月曜日14時〜15時 文化財公開
5月28日日曜日14時〜15時 不動護摩供



2023年4月29日

新緑の美しい季節



4月下旬、春の終わりと初夏の始まりが見えてきた頃、群青色の一初が咲きました。茎が真っすぐと、背筋がピンとして見えるというのか、凛とした姿がうかがえます。アヤメの中で一番早く咲くことから「いちはつ」と呼ばれるそうな。有名歌人、正岡子規が「いちはつの 花咲きいでて 我目には 今年ばかりの 春ゆかんとす」と詠んでいたり。アヤメのトップバッターとして、まず一初が咲き、それに続きほかの種類も咲き始める。まるでお花のリレーのようだなと思えて、何だかすごく雅だなと。
少し一初を見ながら思ったこととして、なかなか一番手になって何かを始めたり、物事を引っ張っていくというのは簡単ではない。しかしながら、一初もそうですし、それを自分でない誰かがやってくれていると考えると、そういう積極的さが決してゼロであってはいけないなと。表現が難しいですが、そんなことを学ばせていただきました。
また、今年は例年よりも牡丹や平戸躑躅の見頃が早かったように思いますが、皆さま無事ご覧いただけたでしょうか?いつも久安寺の花々を待ちわびていただき、本当にありがたい限りです。今後とも、月例体験をはじめ、都会の喧騒から離れたくなったときなどなど、どうぞご参拝とともに花々に癒されていってくださいませ。いつでも大歓迎でございます。



2023年4月18日

七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞかなしき



4月半ばのこと、ツバキの季節が終わりを迎えました。久安寺にて、鮮やかな大輪の花や、冬を乗り切るたくましい姿を見せてくれていましたね。晴れ空の下だけでなく、雨空や雪空の下でも、目にするツバキの姿は美しく素敵でありました。また、次に会える日を今から待ちわびて……
別れは、また会うときまでのしばしの時であり、そして別れは、出会いの時でもある。
それを表すかのように、入れ替わって、昨年いただいた海老根が開花いたしました。名前に「えび」と入っているように、「どことなく、その姿はえびの背にも見えるだろうか?」と、そんなところが由来になって海老根となったのだとか。少ししっとりとしたような、大人の落ち着きというのか(笑い)、その姿を言葉に表すのは難しく。でも、とても魅力的な美しさを持っておられます。ぜひ、これから毎年、海老根の咲く頃に皆さまにご覧になっていただけたら嬉しいです。
また、同じ頃には気品あるヤマブキが咲いてきれいでした。兼明親王の『後拾遺集』に「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞかなしき」と詠まれているように、ヤマブキには実がなり、ヤエヤマブキには実がならぬそうな。


2023年4月10日

花言葉は「魔力」


4月の花まつり勤行を前にした頃、久安寺のお池に、漂鳥であるマガモのつがいがやってきていました。仲良く泳がれていて、あまり近づき過ぎてお邪魔になってはいけないと、陰からこっそり見ておりました(笑い)。ちなみに、頭が緑色のほうが雄になります。ちょうど紫木蓮が花開いていましたが、マガモさんたちにもご覧いただけたでしょうか?久安寺が居心地よい場所であったのなら、うれしいのですが。
また、ある晴れた日には、花蘇芳(ハナズオウ)が咲くところで蝸牛さんをお見かけしました。ゆっくりゆっくりと木を渡っておられましたよ。花蘇芳の花言葉は「疑惑」であります。例えば同じ頃に咲いていた著莪(シャガ)も「反抗」という少しマイナスを感じるような花言葉を持っているのですが、美しい花がこういう言葉を持つことからは、「人というのは、プラスを感じる言葉だけでは生きていけない」という教えを得ている気がするのです。何でもかんでも信じ切ってしまっては自分の身が危なくなることがありますし、反抗というのは「=防御」でもあって、自分や誰かを守るためには全て従順である必要はないというように、時には反抗も疑惑も必要であると。解釈はひとそれぞれあって、これだという答えはないのですが。
さて皆さま、紅花常盤万作の花言葉は「魔力」でありますが、この言葉からはどんなことを感じ取られますか?



2023年4月 2日

連翹のあるところ



河津桜や十月桜、そして枝垂れ桜が3月のうちに美しい姿を見せてくれていましたが、4月を迎えると、より「春花の季節~ハルバナの季節」なんて勝手に言ってしまいますが、久安寺がそんな心地に包まれたように思います。ちょうど4月の月例、真言禅の会あたりは、和・石楠花や連翹(レンギョウ)もきれいでしたね。「美しいな」、「可憐だな」、「心が洗われるな」と感じる世界は、ぜひ皆さまと分かち合いたいものです。月例のご体験をはじめ、久安寺にまだ足を運んだことのない方々と「はじめまして」を交わせることを花々も大歓迎していますよ。
また、連翹の花言葉は希望であります。もう既に新しいスタートを歩み出している方が多いと思いますが、ここでそっと手を合わせ、「この希望がよいものとなるように、頑張ります」と心の中で唱える。そんな決意表明の場所が「連翹のあるところ」となったのなら何だかすてきだなと、ふと思ったり……
ただ単に「希望を叶えてください」と他力に頼り切るのではなく、「希望を叶えるために精いっぱい頑張りますから、見守っていてください」と、自力というのか、自分で自分の未来を切りひらくような思いがあると、そこに対する後押しのような力が不思議と集まってくるのではないか。なんて、そんなことを常々思っております。



2023年4月 1日

4月の予定



4月になりました。 和の石楠花がもう咲きはじめました。西洋石楠花は5月になるでしょうか。 明朝8時〜9時、真言禅の会があります。ご体験いかがですか?初めての方、大歓迎です。

4月8日土曜日11時 花まつり降誕会
4月8日土曜日14時〜15時 写経の会
4月10日月曜日14時 写仏の会



2023年3月24日

おもいやり



春のお彼岸を無事に終えた頃、空から少し雨が落ちることもありましたが、雨上がりの陽射しに照らされる花々は、また何と美しいことか。ちょうど蠟梅が見頃のときにも、そんなお話しをしたように思いますが、同じく黄色いお花であられるヒュウガミズキが鮮やかで目を引かれました。花言葉は「おもいやり」ですよ。お彼岸のときに「彼の岸に到る徳目」、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧についてお話ししましたが、そのうちの一つ、布施に「おもいやり」が含まれるでしょうか。
弘法大師空海の『性霊集』に、「身は花とともに落つれども心は香とともに飛ぶ」という言葉があります。その意味として、「私たち人の身も花の姿もいつかは消えてしまうものの、あなたのこと、花の姿、香りは人の心に残り続ける」とも受け取れるように思っています。お彼岸が過ぎても、徳目を日々の中で少しずつでも実行していきながら、「あの人はおもいやりのある人だったな」とふと思い出してもらえるような、そんな人でありたいものですね。
皆々さま、月例をはじめ、参拝等々、3月も久安寺にてたくさんの笑顔を拝ませていただけたことに感謝、感謝です。



2023年3月17日

河津桜が開花



3月半ば、ちょうど月例の文化財公開の頃でしょうか、各所でポトリと落ちた椿たちを目にしました。地面にポトリ、枯れ草の上にポトリ、そして水面にポトリ。その場所から、鳥たちによって花粉が運ばれていくのですね。3月は、私たち人間にとって引っ越しのシーズンだからというのもあって、そんな落ちた椿を見ながら、「花粉が運ばれていくのも、また引っ越しみたいだな」と少し思ったものでした。そう言えば、椿のお引越しを担うのはどの鳥さんだろうかと気になって調べてみたところ、メジロとの絆が強いようでした。こういう鳥によって花粉が運ばれていくことを「鳥媒花~チョウバイカ」って言うんですって。
また、お彼岸を迎えた頃のこと、久安寺仏塔前にて河津桜が開花を迎えました。お彼岸は、ご先祖様方がいる彼岸と私たちのいる此岸が近くなる時ですが、優しいピンク色をした河津桜が風に揺れて、ご先祖様に向かって「こんにちは」と挨拶をしているように思えたり。そして、三大芳香木の沈丁花の香りを感じながら、お彼岸期間の中日と春分の日には彼岸法要、回向を行わせていただきました。春分の日の翌日は弘法大師ご入定の日でありましたので、御影堂にてご法楽もあげて。
ご先祖さまとお顔を合わせられるのは、次は夏、そして秋ですね。そのときには、また皆さまとご先祖さま方に、ぜひ久安寺の景色を楽しんでいただけたらと思います。



2023年3月 7日

春告花~ハルツゲバナ



少し前に、雪と見間違えてしまった梅の花こと白梅、桜に負けず劣らずの白梅は「春告草~ハルツゲグサ」という名前を持っているそうな。以前、その昔、万葉集では桜を詠むよりも梅を詠むもののほうが多かったという話をしましたが、白梅は「さあ、春がはじまります」というように、春を告げる花とされているとか。ちょうど3月の月例体験の真言禅の会や写経、写仏の会の頃に白梅の下で足を止めて眺めていた記憶があります。しかし、どちらかと言うと「春告花~ハルツゲバナ」の花のほうに強く頷けてしまうのですが、どうして草と呼ばれているのでしょう?ふと今になって、「春告木~ハルツゲモクでもないしな……」と気になっていたり(笑い)。もしお分かりの方がいたら、ぜひ教えていただけたら嬉しいなと。
そして、同じく上旬の月例の頃のこと、桃色の乙女椿がパーッと咲き、明るい姿を見せてくれていました。薬師堂の南側に開花しておりましたが、陽にあたって映えていましたね。また、薬師堂北側、虚空園山側には、木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝くことから「春黄金花~ハルコガネバナ」とも呼ばれる山茱萸が美しく。
お彼岸を前に参拝にお越しいただいた不動護摩祈祷の団体さまをはじめ、月例体験へご参加いただいた皆さまに改めて感謝を申し上げます。予約も承っていますので、皆々さま、いつでも気軽に久安寺においでくださいませ。



2023年3月 2日

紫陽花の芽がチラホラ



七十二候、「霞始靆〜かすみはじめてたなびく」が過ぎ、虚空園の蝋梅を見れば晴れやかさを感じ、漂う香りからは朗らかさを感じながら3月を迎えました。その頃は、まだ朝は氷点下なときもあり、バン字池に咲く白梅を「おや?」と少し雪と見間違えてしまったり。そして、そんな中を青鷺さんがスーッと気持ちよさそうに横切っていかれたのが何だか面白かったです。まるで「何を寝ぼけたことを。これは梅ですぞ」とでも言われたかのようで(笑い)。
さて、そんなふうに2月から3月に移り変わった頃、久安寺境内に紫陽花の芽がチラホラと見え始めていました。こういう春の芽吹きが見え始めると、「ああ、本当に冬を終えたのだな」と四季の区切りのようなものを改めて実感してしまいますね。よく、「日本にだけ四季がある」と耳にすることもありますが、実は四季自体はほかの国々にもあるそうです。しかしながら、その区切りがはっきりしていて、ここまで色濃く移り変わっていくのは日本だけだとか。
楽しみですね。待ち遠しいですね。紫陽花の咲く頃やハスが咲く頃が。今年も、四季折々、久安寺に来られる皆さまが笑顔になられますように。