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2023年5月 1日5月の予定![]() 紫蘭が少々。 |
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久安寺ブログ
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Archive2023年アーカイブ
2023年4月29日
新緑の美しい季節
4月下旬、春の終わりと初夏の始まりが見えてきた頃、群青色の一初が咲きました。茎が真っすぐと、背筋がピンとして見えるというのか、凛とした姿がうかがえます。アヤメの中で一番早く咲くことから「いちはつ」と呼ばれるそうな。有名歌人、正岡子規が「いちはつの 花咲きいでて 我目には 今年ばかりの 春ゆかんとす」と詠んでいたり。アヤメのトップバッターとして、まず一初が咲き、それに続きほかの種類も咲き始める。まるでお花のリレーのようだなと思えて、何だかすごく雅だなと。
少し一初を見ながら思ったこととして、なかなか一番手になって何かを始めたり、物事を引っ張っていくというのは簡単ではない。しかしながら、一初もそうですし、それを自分でない誰かがやってくれていると考えると、そういう積極的さが決してゼロであってはいけないなと。表現が難しいですが、そんなことを学ばせていただきました。
また、今年は例年よりも牡丹や平戸躑躅の見頃が早かったように思いますが、皆さま無事ご覧いただけたでしょうか?いつも久安寺の花々を待ちわびていただき、本当にありがたい限りです。今後とも、月例体験をはじめ、都会の喧騒から離れたくなったときなどなど、どうぞご参拝とともに花々に癒されていってくださいませ。いつでも大歓迎でございます。2023年4月18日
七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞかなしき
4月半ばのこと、ツバキの季節が終わりを迎えました。久安寺にて、鮮やかな大輪の花や、冬を乗り切るたくましい姿を見せてくれていましたね。晴れ空の下だけでなく、雨空や雪空の下でも、目にするツバキの姿は美しく素敵でありました。また、次に会える日を今から待ちわびて……
別れは、また会うときまでのしばしの時であり、そして別れは、出会いの時でもある。
それを表すかのように、入れ替わって、昨年いただいた海老根が開花いたしました。名前に「えび」と入っているように、「どことなく、その姿はえびの背にも見えるだろうか?」と、そんなところが由来になって海老根となったのだとか。少ししっとりとしたような、大人の落ち着きというのか(笑い)、その姿を言葉に表すのは難しく。でも、とても魅力的な美しさを持っておられます。ぜひ、これから毎年、海老根の咲く頃に皆さまにご覧になっていただけたら嬉しいです。
また、同じ頃には気品あるヤマブキが咲いてきれいでした。兼明親王の『後拾遺集』に「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞかなしき」と詠まれているように、ヤマブキには実がなり、ヤエヤマブキには実がならぬそうな。2023年4月10日
花言葉は「魔力」
4月の花まつり勤行を前にした頃、久安寺のお池に、漂鳥であるマガモのつがいがやってきていました。仲良く泳がれていて、あまり近づき過ぎてお邪魔になってはいけないと、陰からこっそり見ておりました(笑い)。ちなみに、頭が緑色のほうが雄になります。ちょうど紫木蓮が花開いていましたが、マガモさんたちにもご覧いただけたでしょうか?久安寺が居心地よい場所であったのなら、うれしいのですが。
また、ある晴れた日には、花蘇芳(ハナズオウ)が咲くところで蝸牛さんをお見かけしました。ゆっくりゆっくりと木を渡っておられましたよ。花蘇芳の花言葉は「疑惑」であります。例えば同じ頃に咲いていた著莪(シャガ)も「反抗」という少しマイナスを感じるような花言葉を持っているのですが、美しい花がこういう言葉を持つことからは、「人というのは、プラスを感じる言葉だけでは生きていけない」という教えを得ている気がするのです。何でもかんでも信じ切ってしまっては自分の身が危なくなることがありますし、反抗というのは「=防御」でもあって、自分や誰かを守るためには全て従順である必要はないというように、時には反抗も疑惑も必要であると。解釈はひとそれぞれあって、これだという答えはないのですが。
さて皆さま、紅花常盤万作の花言葉は「魔力」でありますが、この言葉からはどんなことを感じ取られますか?2023年4月 2日
連翹のあるところ
河津桜や十月桜、そして枝垂れ桜が3月のうちに美しい姿を見せてくれていましたが、4月を迎えると、より「春花の季節~ハルバナの季節」なんて勝手に言ってしまいますが、久安寺がそんな心地に包まれたように思います。ちょうど4月の月例、真言禅の会あたりは、和・石楠花や連翹(レンギョウ)もきれいでしたね。「美しいな」、「可憐だな」、「心が洗われるな」と感じる世界は、ぜひ皆さまと分かち合いたいものです。月例のご体験をはじめ、久安寺にまだ足を運んだことのない方々と「はじめまして」を交わせることを花々も大歓迎していますよ。
また、連翹の花言葉は希望であります。もう既に新しいスタートを歩み出している方が多いと思いますが、ここでそっと手を合わせ、「この希望がよいものとなるように、頑張ります」と心の中で唱える。そんな決意表明の場所が「連翹のあるところ」となったのなら何だかすてきだなと、ふと思ったり……
ただ単に「希望を叶えてください」と他力に頼り切るのではなく、「希望を叶えるために精いっぱい頑張りますから、見守っていてください」と、自力というのか、自分で自分の未来を切りひらくような思いがあると、そこに対する後押しのような力が不思議と集まってくるのではないか。なんて、そんなことを常々思っております。2023年4月 1日
4月の予定
4月になりました。 和の石楠花がもう咲きはじめました。西洋石楠花は5月になるでしょうか。 明朝8時〜9時、真言禅の会があります。ご体験いかがですか?初めての方、大歓迎です。
4月8日土曜日11時 花まつり降誕会
4月8日土曜日14時〜15時 写経の会
4月10日月曜日14時 写仏の会2023年3月24日
おもいやり
春のお彼岸を無事に終えた頃、空から少し雨が落ちることもありましたが、雨上がりの陽射しに照らされる花々は、また何と美しいことか。ちょうど蠟梅が見頃のときにも、そんなお話しをしたように思いますが、同じく黄色いお花であられるヒュウガミズキが鮮やかで目を引かれました。花言葉は「おもいやり」ですよ。お彼岸のときに「彼の岸に到る徳目」、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧についてお話ししましたが、そのうちの一つ、布施に「おもいやり」が含まれるでしょうか。
弘法大師空海の『性霊集』に、「身は花とともに落つれども心は香とともに飛ぶ」という言葉があります。その意味として、「私たち人の身も花の姿もいつかは消えてしまうものの、あなたのこと、花の姿、香りは人の心に残り続ける」とも受け取れるように思っています。お彼岸が過ぎても、徳目を日々の中で少しずつでも実行していきながら、「あの人はおもいやりのある人だったな」とふと思い出してもらえるような、そんな人でありたいものですね。
皆々さま、月例をはじめ、参拝等々、3月も久安寺にてたくさんの笑顔を拝ませていただけたことに感謝、感謝です。2023年3月17日
河津桜が開花
3月半ば、ちょうど月例の文化財公開の頃でしょうか、各所でポトリと落ちた椿たちを目にしました。地面にポトリ、枯れ草の上にポトリ、そして水面にポトリ。その場所から、鳥たちによって花粉が運ばれていくのですね。3月は、私たち人間にとって引っ越しのシーズンだからというのもあって、そんな落ちた椿を見ながら、「花粉が運ばれていくのも、また引っ越しみたいだな」と少し思ったものでした。そう言えば、椿のお引越しを担うのはどの鳥さんだろうかと気になって調べてみたところ、メジロとの絆が強いようでした。こういう鳥によって花粉が運ばれていくことを「鳥媒花~チョウバイカ」って言うんですって。
また、お彼岸を迎えた頃のこと、久安寺仏塔前にて河津桜が開花を迎えました。お彼岸は、ご先祖様方がいる彼岸と私たちのいる此岸が近くなる時ですが、優しいピンク色をした河津桜が風に揺れて、ご先祖様に向かって「こんにちは」と挨拶をしているように思えたり。そして、三大芳香木の沈丁花の香りを感じながら、お彼岸期間の中日と春分の日には彼岸法要、回向を行わせていただきました。春分の日の翌日は弘法大師ご入定の日でありましたので、御影堂にてご法楽もあげて。
ご先祖さまとお顔を合わせられるのは、次は夏、そして秋ですね。そのときには、また皆さまとご先祖さま方に、ぜひ久安寺の景色を楽しんでいただけたらと思います。2023年3月 7日
春告花~ハルツゲバナ
少し前に、雪と見間違えてしまった梅の花こと白梅、桜に負けず劣らずの白梅は「春告草~ハルツゲグサ」という名前を持っているそうな。以前、その昔、万葉集では桜を詠むよりも梅を詠むもののほうが多かったという話をしましたが、白梅は「さあ、春がはじまります」というように、春を告げる花とされているとか。ちょうど3月の月例体験の真言禅の会や写経、写仏の会の頃に白梅の下で足を止めて眺めていた記憶があります。しかし、どちらかと言うと「春告花~ハルツゲバナ」の花のほうに強く頷けてしまうのですが、どうして草と呼ばれているのでしょう?ふと今になって、「春告木~ハルツゲモクでもないしな……」と気になっていたり(笑い)。もしお分かりの方がいたら、ぜひ教えていただけたら嬉しいなと。
そして、同じく上旬の月例の頃のこと、桃色の乙女椿がパーッと咲き、明るい姿を見せてくれていました。薬師堂の南側に開花しておりましたが、陽にあたって映えていましたね。また、薬師堂北側、虚空園山側には、木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝くことから「春黄金花~ハルコガネバナ」とも呼ばれる山茱萸が美しく。
お彼岸を前に参拝にお越しいただいた不動護摩祈祷の団体さまをはじめ、月例体験へご参加いただいた皆さまに改めて感謝を申し上げます。予約も承っていますので、皆々さま、いつでも気軽に久安寺においでくださいませ。2023年3月 2日
紫陽花の芽がチラホラ
七十二候、「霞始靆〜かすみはじめてたなびく」が過ぎ、虚空園の蝋梅を見れば晴れやかさを感じ、漂う香りからは朗らかさを感じながら3月を迎えました。その頃は、まだ朝は氷点下なときもあり、バン字池に咲く白梅を「おや?」と少し雪と見間違えてしまったり。そして、そんな中を青鷺さんがスーッと気持ちよさそうに横切っていかれたのが何だか面白かったです。まるで「何を寝ぼけたことを。これは梅ですぞ」とでも言われたかのようで(笑い)。
さて、そんなふうに2月から3月に移り変わった頃、久安寺境内に紫陽花の芽がチラホラと見え始めていました。こういう春の芽吹きが見え始めると、「ああ、本当に冬を終えたのだな」と四季の区切りのようなものを改めて実感してしまいますね。よく、「日本にだけ四季がある」と耳にすることもありますが、実は四季自体はほかの国々にもあるそうです。しかしながら、その区切りがはっきりしていて、ここまで色濃く移り変わっていくのは日本だけだとか。
楽しみですね。待ち遠しいですね。紫陽花の咲く頃やハスが咲く頃が。今年も、四季折々、久安寺に来られる皆さまが笑顔になられますように。2023年2月20日
雨に濡れた万両の実
雨を待っていたら、蝋梅に劣らず万両もいと美しき。以前、蝋梅の花が雨に濡れると、蝋梅の透明を帯びた花びらが、より一層美しく見えるといった話をしたのを覚えているでしょうか。そんな雨を待ちわびる2月のある日、雨上がりに久安寺の参道を歩いていると、「おや?万両も水を帯びて美しいじゃないか」と目を奪われたのです。みずみずしくて、艶々で。
万両は、花は夏頃に咲き、実が12月頃から赤くなり始める。そして、真っ赤な実がたくさん実ることから縁起物として知られていますね。花言葉は「寿ぎ(ことほぎ」。寿ぎとは、言葉をもってお祝いをすることを示すのですが、そう考えたら、途端に「幸あれ」なんていう言葉がたくさん実っているようにも思えてきて、すごくハッピーな気持ちになったのです。何事も気の持ちよう、でしょうか(笑い)?
そして、蝋梅のほかに、同じ梅仲間の可愛らしい白梅や紅梅もチラホラと咲き始めを迎えました。まだまだ境内寒しという感じですが、蕾や花が目に映ると、冬を忘れてほっこり春気分に。そう言えば、江戸時代以降は「花見」と言えば桜なものの、万葉集では梅の歌が圧倒的に多く、平安時代以前は花と言えば梅を指すことが多かったそうな。2023年2月13日
雨に濡れた蝋梅
写経の会や写仏の会を開いた頃、2月の花のひとつである蝋梅がとてもきれいで、近くを通るたびについつい立ち止まっては眺めてを繰り返していたような気がします。黄色くて、透明感が強い蝋梅の花。雨が降った日には、蝋梅につく雨粒がまた美しくて、いつもは晴れを待ちわびるものの、ちょっとだけ雨を待ってしまう私がおりました。蝋梅と言えば、早春の梅、山茶花、水仙と合わせて「雪中四友(せっちゅうのしゆう)」と呼ばれ、文人画の対象とされていますが、確かに絵だったり、写真だったりに残しておきたくなるほどの魅力がありますね。
また、建国記念日の頃は、籔椿も蕾から花が咲き始めた頃でした。11日は、良いお天気のもと伏尾神明社にて町内安全、所願成就、智徳円満をしかと祈念いたしました。共にご参加いただいた皆さまに感謝です。
さて、久安寺に咲く籔椿、その花言葉は「気取らない優美さ」とな。椿の品種というのは、100や1,000を軽く超えるくらい存在すると聞いたことがありますが、控え目に咲く籔椿からは、気品がありながらも親しみも兼ね備えているというのか、春のやわらかさのような温かみを感じたものでした。
今年も花の寺・久安寺の春の景色が待ち遠しいです。2023年2月 6日
今年最初の真言禅の会
2月上旬、3日と言えば節分があり、久安寺でも19時から節分会を行いました。すっかりと「節分=豆まき。2月の鬼退治」と定着していますが、そもそもは1年を立春・立夏・立秋・立冬との4つに分け、それぞれの前日を節分と言っていたとか。節分は1年に4回、季節の変わり目に訪れる。四季が入れ替わるときに体調を崩して病にかかりやすいことや、そういった災いに当たる対象を全て鬼(邪鬼)と考え、それらを追い払うために、季節が変わる前日に厄払いとして行われていたそうな。
節分会ではぜんざいも振る舞わせていただきました。ぜんざいに使われる小豆は魔よけの色だとされ、縁起のある食べ物と言われています。そう考えると、春秋冬は温かなぜんざい、夏は冷やしぜんざい。4つの季節の変わり目には小豆を食べておくと、とても心強い気がしてきました(笑い)。
また、その週には今年最初の真言禅の会がありましたね。ご飯味噌汁付。月の第1日曜日、朝8時から9時にかけて開いています。2月は阿息観(あそくかん)のご体験を共に。道場へ向う前に仏前勤行次第にて般若心経。そして食事の作法を皆でお唱えしました。どなた様でも大歓迎ですから、緊張せずに、心軽くご参加くださいね。今年もたくさんの方々と朝のひとときを共に過ごせることを楽しみにしております。2023年2月 2日
立春
大寒から立春に。1月の去り際を、一番厳しい寒さのことから大寒と言い、これからだんだんと暖かくなっていく2月の訪れの頃を立春と表す。そんな二十四節気の最後から最初へと移り変わるとき、昨年倒木していたところへ、あらためてモミジを植栽いたしました。倒木へ「ありがとう。お疲れさまだったね」、新木に「これから久安寺をよろしくね」と声をかけ、何だか学生時代の卒業や入学のときのように、どこかさみしい気持ちと、新たな始まりに対する気持ちのようなものが混ざり合った心境になっていました。
そう言えば、植栽をしてから何日も経たない頃、2羽のサギやカワセミの姿を見かけたでしょうか。あまり近づいては、すぐに逃げてしまいますから、遠くからその姿を見ていました。2羽のサギは、本堂の屋根の上に凛と立って何かを眺めているようなご様子で。もしかすると、「ほう。新しいモミジがやって来たのか」なんて、久安寺の視察に来られていたのかもしれません(笑い)。
ちなみに、カワセミは「幸せの青い鳥」と呼ばれ、出会えると、何か良いことが訪れる前兆なのだとか。そして、サギも同じように縁起をもたらす使いの鳥と言われていたり。久安寺に幸が舞い降りて、ここに来られる皆さまにその幸が降り注がれますように…そう願いながら、鳥たちに手を合わせて。2023年2月 1日
2月の予定
大寒から立春へ。
2月5日日曜日8時〜9時 真言禅の会
2月8日水曜日14時〜15時 写経の会
2月10日金曜日14時〜15時半 写仏の会
2月15日水曜日14時〜15時 文化財公開
2月28日火曜14時〜15時 不動護摩祈祷2023年1月25日
雪化粧
1年の中で、毎月21日は弘法大師の報恩日になります。その中でも、年初めの1月は、「初大師」と呼んで報恩の祈りを捧げます。「報恩」とは、恩返しとも言います。人から優しくされたのなら、自分もまた人に優しくする。恩を受けたのなら「ありがとう」と感謝を忘れないといったことがそれに当たります。当日は、弘法大師法を朝に修し、14時に御影堂にて皆さまと共に一緒にお唱えを。初大師のご参拝、誠にありがとうございました。
また、翌日には有志の方と共に、当山の四国88のお砂ふみコース「弥勒山めぐり」を8人で巡拝いたしました。実際に四国霊場のお砂が納められている1キロの巡拝コースになります。健康づくりと信仰を兼ね備えた弥勒山めぐり、ぜひ皆さまもいかがでしょうか?
そして、1月下旬のこと、この頃は何だか雪が結構降り積もった日々でした。バン字池も、大師さまも、仏塔、参道、五輪塔などなど、とにかく久安寺が雪景色に。山茶花や蝋梅も雪化粧となっていました。しかし、お花が雪をまとっていると、何だかお砂糖がかけられているかのようで、甘くおいしそうに見えてしまうのは私だけでしょか(笑い)?
1月最後の月例、28日に行われた不動明王のご縁日など、久安寺に参られた皆々さま、本当にありがとうございました。2月も、3月も、4月も、その先も、多くの方の笑顔とお会いできることを楽しみにしております。2023年1月15日
どんと焼き
久安寺と言えば、花の寺だけでなく、カブトムシやキツネやサワガニ、あとアオサギやといろいろな生きものたちが参る寺でもあると自負しているのですが(笑い)、卯年最初に参ったのは・・・ウサギならぬ、イタチさんであられました。多分チョウセンイタチだろうかと思うのですが、ちょうど受験シーズンの頃でしたから、受験生の皆さまへの祈願に来てくれたのかな?と考えてみたり。そして、その日から数日内のこと、今度はウサギならぬ・・・サギが参られました。階段をタタタっと軽やかに登られているところに遭遇。足が黄色だったので、コサギでしょうか?どんと焼きの間近でしたから、きっとそれに関連して来られたのでしょう(笑い)。
さて、「水泉動〜しみずあたたかをふくむ(七十二候)」地中深くでは水が動きだして、春に向かっているのだろうか。でも、地上はとても寒い。そんな中、2月になれば見頃を迎える蝋梅(ロウバイ)がほんの少し蕾をぷっくらとさせ始めていました。蝋梅は、透明がかった黄色い花で、それがロウソクの蝋のようだと言われたり、あめ細工のようだと言われたり。英名では「Winter Sweet」なんて素敵に呼ばれていたりも。
また、小正月の日、どんと焼きにて注連縄や正月飾り、古いおふだ、御守り等をしかとお焚き上げいたしました。文化財公開の日でもありましたね。お越しいただいた皆さまに感謝です。2023年1月10日
冬の中に咲く山茶花の姿
1月8日、今年最初の月例体験、写経の会が行われ、10日には写仏の会を無事に開きました。毎年毎年、世の中の移り変わりの早さを感じるというのか、変化が激しかったりもするので、一つ一つの会であるとか、一日一日を大切にしていかなくてはいけないなと思うばかりです。
写経は、お釈迦さまの教え「経典」をなぞって書き写すものであり、写仏は仏さまのお姿をなぞって描き写すものとなります。日々の喧騒の中ではなかなか無心になることは難しいですが、ついつ頭に思い浮かべてしまうことやいろいろなことを取り払い、お釈迦さまの教えや仏さまのお姿と向き合うことで、自然と精神が調うと言われています。毎月上旬に開いておりますから、初めての方も気兼ねなくお出でください。もちろん何度目の方も。皆さまを心よりお待ちしています。
さて、花の寺・久安寺ですが、この頃は山茶花がとてもきれいに咲いていました。花は鮮やか、葉はギザギザ。花言葉は「あなたが最も美しい」ですが、確かに、花の姿が少ない冬の中に咲く山茶花の姿はとても目を引き、存在感を放っていました。よく似ている椿の花がありますが、去り際に花首からぽとりと落ちる椿と違い、花びらがはらはらと散って行くのが山茶花です。花の開きも、椿より山茶花のほうが開きが大きいような。
まだまだ冬は続きますが、春が来るまでに咲き誇る主役たちを見に、ぜひ久安寺へとお越しくださいませ。2023年1月 4日
久安寺に生る千両の実
2023年、卯年となってから一月が過ぎました。大晦日の23時45分から除夜の鐘撞きが始まり、元旦になった0時から新年本尊供、1時からは新年初護摩を行い、そして2時に閉門にと。除夜の鐘撞きでは、皆さまお一人ずつ堂の中にお入りいただき、厄除開運や、令和5年のご多幸を祈念いただきました。そのゴーンゴーンという鐘の音が鳴るたび、その音に乗っかって「幸」が遠くまで行き届いたことと思います。皆さま、年末年始のご参拝に、「おんばざらたらまきりく」感謝です。
さて、1月初旬は、「寒の入り」でもあり、水のあるところは、どこもかしこも氷がうっすらと張っていました。その中で、カエデの葉でしょうか?それが水の凍ったところに乗っかっていて、何だかその凍った水面が黒い漆皿のように見え、その上にある葉がまるで螺鈿細工のように見えて、とても美しかったのです。
寒の入りとは、二十四節気で示す「これから厳しい寒さが始まる頃」として小寒に入る時を言います。冬の寒さは身にも心にも何かと響いてしまうものですが、ただただ縮こまっているだけではもったいない。せっかくなら、この季節ならではの自然の美しさを一つでも二つでも拾っていきたいものですね。ほら、久安寺に生る千両の実、その横でわらべ地蔵が「見て見て、赤い実がこんなにきれいだよ」と言っていたり。