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久安寺ブログ

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Archive2022年アーカイブ



2022年12月30日

初詣ガイド



【大晦日12月31日】23時45分 「除夜の鐘」みなさま間隔をとって並んでお撞きください。108回を越えても撞いていただけます。尚、大根と甘酒無料接待は今年もございません。
0時 新年本尊供1時 新年初護摩(本堂)

【お正月三ヶ日】拝観9時〜16時いずれも13時 新年護摩祈祷
・御朱印4種、福矢御守絵馬土鈴おふだ宝来等授与・拝観料300円 無料P



2022年12月26日

卯年の吉祥宝来



2022年の大晦日と2023年の元旦に向けて、卯年の吉兆宝来、福矢、絵馬、合格祈願絵馬、土鈴を本尊千手観音さまの御前で加持し、授与に向けた備えを着々と。そして28日には1年を締めくくる不動明王の御縁日も迎えました。また、檀信徒総代さん達が、年末恒例、村の風習、神仏習合として手作りでしめ縄を作ってくださいました。今の時代、年末ともなれば、会社での仕事納めや家でのお正月の準備などでみんなが「ああ、忙しか」という中であるにもかかわらず、本当にありがたや、ありがたや。
そんな皆さまの御協力とともに迎える12月31日の大晦日。久安寺では23時45分から「除夜の鐘撞き」が始まります。除夜の鐘撞きは、私たちが持つ煩悩の数と同じ108の数を撞いて取り除くものと伝わっていますが、以前にもお話ししたように、108回を越えたらそこで終わりではなく、皆さまに鐘を撞いていただけます。また、本来の煩悩云々だけでなく、新しい年明けの吉兆を知らせる音として、事情によって直接撞きに来られない人の元へも届くようにと。鐘の音が、撞く人と耳にする人の両方に幸せをもたらすものとなったら素敵だなと常々思っております。



2022年12月23日

寺報「久安寺だより」



12月下旬、「もーう、いーくつねーるーとー おしょーがーつー」と、どこかから聞こえてきそうなほど2022年も残り僅かになった頃、翌年へのちょっとしたわくわく感も出始めつつ、1年の振り返りの時期でもあったように思います。春の桜がきれいだったこと、夏のあじさいうかべが美しかったこと、猛暑で熱中症になっていたクワガタを救出したこと、秋のイチョウやモミジが鮮やかだったこと、オニフスベに驚かされたことなど(笑い)、思い出すことはたくさんあります。また、寺報「久安寺だより」を1年の間で17号から19号まで発行いたしました。次も同じく3回発行できたらなと、そんな目標も立てつつ。
卯年を控えた寅年、一説では寅は「物事のはじまる年」と言われ、卯は「飛び跳ねるほどの大成長できる年」と言われているとか。確かに、うさぎと聞くと跳ねる姿から「飛躍」するイメージが湧く気がします。大成長と言えるほどの跳ねではなくとも、また次に振り返ってみたときに、それがぴょんぴょんと小さく跳ねるくらいであっても、自分の中で何か少しでも「ああ、育ったな」と感じるものがあればよいなと。そんなことを思っていた年の暮れのことでした。



2022年12月 9日

久安寺の涅槃像。久安寺の菩提樹。



雪は降らずとも、さすが冬。朝晩の冷え込みは氷点下。そんな12月の上旬、8日はおしゃかさまが悟りを開かれた日でありました。29歳から修行を積まれ、35歳のときにインドのブッダガヤの菩提樹の下にて成道されたと言い伝えられています。久安寺の菩提樹、そして涅槃像の前にて私もそっと手を合わせて…。
また、その日は写経の会でもありました。1年最後の月例です。真言禅の会、写経の会、写仏の会、文化財公開を無事に行うことができ、皆さまにありがたく思うと同時に、ほっといたしました。少し前を思い返せば、何もかもが開けない日々で。それを思うと、耐える時があっても必ずまた明るい時というのはやって来るのだなと、実感をするばかり。
さて、「紅葉とじる」頃、久安寺参道には、センリョウ、マンリョウ、キミノセンリョウ、ナンテンの丸い実が鮮やかであり、かわいらしく生っていました。キミノセンリョウは橙色で分かりやすいですが、あとの3つは赤色で似ていて、見分けがつくまでには大分時間がかかったような。私流の見分け方は、クリスマスっぽさを感じるのがセンリョウ。チェリーっぽさを感じるのがマンリョウ。小梅っぽさを感じるのがナンテンと、こんな感じだったり(笑い)。
見分けはどうであれ、全てが縁起物。そのうちの一つ、ナンテンは「難を転じて福となす」とな。



2022年12月 5日

2022年最後の一月



紅葉が大分進み、久安寺の秋の葉が5割ほど散ったように思う頃、2022年最後の一月へと足を踏み入れました。12月は師走(しわす)とも言われますが、その由来はご存じでしょうか?一説によれば、その昔、12月のはじまりから年の瀬に向けて、あちらこちらにてあげる読経のために、お坊さんがそちらこちらへと走り回って「ああ、忙しか」となっていたという、その多忙っぷりな姿が元になっているとか。また、それに加えて、寺社へ参拝に来られる皆さまの対応にあたる御師という神職の僧たちの忙しさを「師が走り回る時期」と表したことから定着した言葉なのだとか。
12月初旬ともなれば、場所によってはすっかり真っ白な世界となっていたところもあれば、こちら久安寺のようにまだ紅葉が残るところもあったでしょうか。4日の日までもみじ切り絵御朱印を授与していました。多くの方々と共に秋の美しさを感じられたように思います。
花が咲き終わる時のことを「散る、こぼれる、落ちる」と呼んで美しく思うように、紅葉の始まりを「紅葉ひらく」、終わりを「紅葉とじる」なんて言ってみてはどうだろうか。ふと、そんなことが頭をよぎった冬のはじまりのことでした。



2022年12月 1日

12月の予定



師走ですね。5割ほどの葉が散りました。12月もどうぞご体験ください。
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5日8時 真言禅の会8日14時 写経の会10日14時 写仏の会15日14時 文化財公開28日14時 不動護摩祈祷31日23時45分 除夜の鐘



2022年11月20日

もみじまつり



11月下旬、3年ぶりの「もみじまつり」を開催いたしました。ここ数年はコロナによってずっと行えずにいたため、やっとやっとという思いです。その前日には、団体さまが「仏像を巡る文化財公開ウォーキング」として久安寺にもご参拝いただきました。その日はいろいろと巡られたとのことで、皆さまにとって良き1日であったのならと、改めて思うばかりです。
また、紅葉が一番の見頃になると、多くの方々がカメラを片手に久安寺を楽しんでくださっておりました。皆さまの邪魔にならないように、その姿を眺めながら、うれしさをかみしめていたことは内緒です。また、そういったお写真をSNSだったりに上げてくださっているのをよく見させていただくのですが、皆さま本当に素敵に撮ってくださっていて…。中には数百枚も撮ってくれたりと、本当にありがたい限りです。こんなことを言っては鬼が笑うかもしれませんが、来年も再来年も、ずっとずっと久安寺の景色をみんなで楽しんでいけたらなと思っております。
各団体さまをはじめ、七五三詣・初詣りのご縁だったりと、ご参拝いただいた皆々さまに感謝です。



2022年11月11日

久安寺のモミジ、銀杏が見頃



11月中旬、もみじまつりを目前に久安寺のモミジ、銀杏が見頃になりました。ちょっと雨が降った日もありましたが、雨の後に水気を帯びた葉はまた艶やかで美しいものでした。これは花々にも言えることですが、木々や花々というのはその時々で映え方が違って何度見ても飽きないものです。私たち「人」というのもその時々で違って魅力のあるものだと思うので、そう考えると植物も人も姿は違っても通じるところがあるように思います。
またその頃、仏塔前に生える2本のシキザクラにぽちぽちと花が咲いてくれていました。花の数こそは少なめですが、この時期に姿を見せてくれる貴重な花の一つです。この前お話ししたサザンカもそうですが、春夏が過ぎても花に会えるというのはうれしいですね。
さて、そう言えばこの時期限定に授与している切り絵御朱印の収め方として、王道の御朱印帳のほか、ファイルに入れて収めているという方々もいらっしゃるようです。切り絵はいろいろな楽しみ方ができると思いますので、ぜひぜひこれからも久安寺シリーズとして集めていっていただけたらうれしいです。
いつか、夏と秋だけでなく春や冬にもこういったことができたらなと…ちょっとばかりの野望を持ちつつ(笑い)。



2022年11月 7日

一ヶ月限定の「もみじ切り絵御朱印」の授与



11月初旬、既に以前から久安寺の木々が秋めいていたものの、より「紅葉っぽさ」が目に見えるようになりました。例えば、本堂から見える銀杏の黄緑色が鮮やかだったり。確かイチョウが綺麗に染まってくるのは、例年11月10日頃だったような。
さて、その少し前には仏塔前・正面のお堂の看板だったり、宝物殿(阿弥陀堂)にお祀りしている薬師如来立像の看板だったりを新調していたのですが、皆さまお気づきになられたでしょうか。こんなふうに、時々久安寺の中でちょっとしたリニューアルがされていたりもするので(笑い)、お越しいただいた際にはぜひ気づいていただけるとうれしいです。
そして、初旬3日からは一ヶ月限定の「もみじ切り絵御朱印」の授与を行っておりました。無事に皆々さまのお手に渡ったでしょうか。夏のあじさいうかべの頃に用意していた切り絵御朱印が水色だったのに対し、秋はモミジの赤色になりました。切り絵になっているので、木々や空にかざすときれいだったり。そう言えば、切り絵という文化はいつからあるのだろう?なんてことを思って少し調べてみたところ、一説によればその発祥はインドからで、日本では江戸時代頃からになるとか。美しい文化が世界のあちこちで、そして今も続いていることが素敵ですね。
また、久安時の紅葉について、阪急沿線おでかけ情報紙2022年11月号「TOKK」にて表紙と02ページ目に掲載をしていただいておりました。ありがたや、ありがたや。



2022年11月 3日

11月の花の山茶花(サザンカ)



秋晴れが続き、紅葉の色づきは三分だろうか。だんだんと花々より木々の葉が主役に移り変わっていく中ですが、11月の花の「山茶花(サザンカ)」が咲いてくれていました。薄桃色と白色のツートンカラーが何とも可愛らしい。文化の日に行った文化財公開の頃もちょうど美しかったように記憶していますが、久安寺に来ていただいた皆さまのお心を、少しでも「ほっこり」とさせられていたのなら幸いです。
サザンカの花言葉は花の色によっても違うようで、全体的なくくりだと「どんな困難もひたむきに頑張る」という感じで、白だと愛嬌、桃色だと愛にまつわるものだったりと様々あるようです。あれ?じゃあ、久安寺のツートンだとどれに当てはまるのだろうか。全体的なやつが当てはまるのだろうか。そんなことをふと思ってしまい、最終的に至ったのが「困難なときも、愛嬌をもてば乗り切れる」という合体型でありました。
褒め言葉の一つに「愛嬌がある」というものがあります。もちろん捉え方は人それぞれ違いますが、例えば素直さを持っている人というのも愛嬌のよさに入ると思うのです。例えば自分の失敗をそこで認めれば大事にならないことも、そこで頑なに認めないことでかえって大事になったりもする。また、一見難しく思えることも、素直に助けを求めることができたら、誰かと共になら乗り越えられもする。
何だか長々と語ってしまいましたが、そんな花言葉はどうだろうかと思った秋の日のことでした(笑い)。



2022年10月24日

看板を新調



10月下旬、次の月が見え始める頃には、花の寺久安寺も紅葉の寺に移り変わりつつあったでしょうか。本堂から見る木々の葉が色づき始める中、参道に咲く秋明菊には目を奪われたものでした。春や夏とは違い、どこか寂しさのようなものをもたらす秋を明るく照らしてくれる菊の花。それはそれは、何と美しいことか。
そう言えば、秋明菊もそうなのですが、植物の茎ってあんなに細いのに驚くほどピンと真っ直ぐ伸びているのが不思議です。私たちにとっては背骨のようなものかと思うのですが、どうして折れることなく凛とできているのだろうかと…尊敬です。そんな植物の姿が視界に入ると、自分も背を正さねばと思わせられてしまいますね。また別のある日には、弥勒山にて視界が何やら眩しさを捉えたと思えば、そこには蛍光色のような幼虫がおられました。蛾になるのだろうか。何になるのだろうか。しかし、すごい明るさだなと思いながらサイズをチェックしたところ(笑い)、全長8センチでございました。
そして、このたび久安寺仏塔前の看板と、宝物殿(阿弥陀堂)にお祀りしている薬師如来立像の看板を新調しました。前者は正面のお堂 舎利殿涅槃堂 堂内に6.4mのおしゃかさまをご参拝の案内に。後者は池田市指定重要文化財 薬師如来立像のご案内へと。
皆さまのご参拝の目印となりますように。



2022年10月13日

サワガニさん



久安寺です。10月のある日、本堂のあたりでサワガニさんと遭遇しました。もう何度か久安寺のお話しに登場しているサワガニさんですが、おや?今日は何かちょっとご立腹の様子だろうか。と、どこか少しそんなご様子を察知した私です(笑い)。そんなわけで理由をあれこれ考えてみたり。久安寺にはアオサギだったり、キツネだったりといろいろな方々がお見えになるので、私が皆さまとお話しできるような能力があればよいのですが、残念ながらそんな特別な力は持っておりません…
そして「あ。もしや」と思い至ったのが、「久安寺のお話しに、最近あまり登場させてくれないじゃないか!」という具合ではないかと。今年の中で既に登場していた気もしなくはないものの、そんな解釈に至ったのでした。その日に「そう言えばカニと僧侶みたいなお話しってあるのだろうか」と思い、調べてみたところ…「蟹坊主」という妖怪のお話しがございました。それはそれとして、何かファンタジーというか絵本のような感じで物語の主人公にしてあげられないかと思ってみたものの…簡単ではありませんね。締まりのない話になりましたが、皆さま、どうかタイトルのぼつ案「きゅうあん寺のカニさま」をお納めくださいませ(笑い)。
また10月半ばのこと、池田市民生委員児童委員協議会の創設70周年の記念誌に当山の阿弥陀如来坐像を掲載していただきました。池田市民生委員児童委員協議会さま、そしてご覧いただいた皆さまに感謝です。
文化財公開の機会には、ぜひ実物を拝観ににいらしてしくださいませ。



2022年10月 5日

神無月



10月は昔から神無月と呼ばれ、日本の中のあるところに神様たちが集われて、何やら話し合いやら会議やらが行われるとな。そして、その場所だけは神在月と呼ばれるのだとか。神様たちが集うと聞くと、何だかとある映画が思い浮かんできて、橋を渡った先にある湯屋(油屋)が頭の中に見えてしまったり。
さて、そんな10月の上旬のこと、神様…ではありませんが、「この先、未来に起業を」という、頼もしくすばらしい志を持った方々が集われ、久安寺にて、起業家育成を応援する池田市のワーケーションプログラムの一環として、座禅、なぞり写仏を1時間30分ほど行われていかれました。
改めまして大変お疲れさまでした。そして、「雲外蒼天(うんがい そうてん)」という言葉が皆さまの心にありますように。しっかりとやるべき事をこつこつ一生懸命にした先には、きっと春の青空が広がっておりますから。
また、その頃には月例としての写仏の会や写経の会も無事に行いました。いつも月の上旬に開いています。初めての方も大歓迎です。
皆さま、世の中気疲れすることも多々ございますが、久安寺にはいつでも気がねなくおいでくださいませ。



2022年10月 2日

気づけば今年も終わりが近づいてきた...



10月初旬のこと、気づけば今年も終わりが近づいてきたではないかと、ハッと思うことがありました。ほんの少し前には、あちらには酔芙蓉、こちらには蓮が美しく咲いたり、夏椿が見えたり、あじさいを浮かべていたりと、久安寺の風物詩を皆さまと感じていた気がしますが、秋風がささーっと吹いたとある日に時のはやさを強く感じたのでした。
頭の中に「兎走烏飛(とそう うひ)」という言葉が浮かんだり。時の過ぎる速さを表す言葉は幾つかありますが、来年が兎年だからかこの言葉が浮かんだのでしょうか?春の4月から秋の始まりの9月頃までは、一年の日々は散歩のような歩みな気がするのに、なぜか10月になると急に駆け足のような気がしてしまいますね。
さて、そんな10月初旬でありましたが、真言禅の会をまずは無事に開きました。当たり前が当たり前であることのありがたさを感じるばかり。そして、ご参加いただいた方々に感謝です。第一日曜日の朝に行われる月例体験、久安寺にて、初めての方もぜひぜひ一緒に座ってみませんか?
これから先、初めてのご縁や、またのご縁がつながることを心より楽しみにしております。



2022年9月26日

ヒガンバナ



9月の下旬、20日から26日には秋彼岸がございました。春の7日間と秋の7日間とを合わせて、お彼岸は年に2回やってきます。そんな秋彼岸の頃、久安寺には白と赤の曼珠沙華が咲き、美しくも神秘的でありました。どちらも別名はヒガンバナ。曼珠沙華は、仏さまがおられる天上界に咲き広がっているとか。その天上の花々を私たちのもとに舞い降らせてくれる。それは「めでたい兆し」なのだと。
また、お彼岸と言えば、ご先祖さまが住む彼岸と私たちの住む此岸が近づくときであり、六波羅蜜(布施、持戒、 忍辱、 精進、禅定、智慧)を励むときとなります。御影供、彼岸会、大師報恩日、また愛犬納骨塔等々がございました。当山では、納骨された愛犬の回向をお彼岸とお盆におこなっています。「家族の一員だったね ありがとう」と皆で。
そして、このたび久安寺仏塔前に秋の七草のひとつ藤袴を奉納いただきました。藤袴は旅する蝶であるアサギマダラに好まれているそうな。アサギマダラは、なんと台湾や東南アジアから日本までフワリフワリと飛来してこられるそうで。お釈迦さまのそばをアサギマダラが舞っていたら、とても素敵でしょうね。
皆さま、9月も久安寺にお越しいただき誠にありがとうございました。



2022年9月12日

幸せの再来"酔芙蓉"



9月中旬、久安寺参道、お地蔵さまの近くに生える豊臣秀吉公お手植えの榧の木のそばに、アオミドリ色の実がぽとりぽとりと落ちていました。少し遠くからそれが見えたとき、ちょっとだけ榧の実を「ん?カエルかな」と思ってしまったり。久安寺には時々、様々な生き物たちがお越しになられますので(笑い)。また、榧の木から落下した実は、ヤマガラが降りてきて、むしゃむしゃパクリとお食べになられます。ヤマガラって人懐っこいらしいのですが、なかなか食事中のお姿を見かけることはなく、いつも抜け殻を見つけるばかり。
さて、その頃に見頃だった花の一つが酔芙蓉。花言葉は幸せの再来。再来ですよ?幸せを既に感じているところに再びなんて、何と幸せなことか。酔芙蓉は、例えば朝顔のように、朝に咲いたら、その日の夕刻にはしぼむ一日花です。とても不思議であり魅力的なのが、一日の中で白色から桃色に変化するところ。その姿が、まるで私たちがお酒によって顔が赤らむことと似ていることから「酔」とつけられたとか。
ちょうど半ばの月例行事、文化財公開の頃でしたが、皆さま酔芙蓉にお会いになられたでしょうか?今後とも、行事とともに花の寺を楽しんでいただけたら幸いです。



2022年9月 8日

八葉蓮華



ある9月のこと、久安寺仏塔内の八葉蓮華(はちよう れんげ)を見ながら、つい少し前まで咲いていた夏のハスの姿を思い出していました。朱雀池に凛と咲いていたハスの花。その花びらが広がると、真ん中には仏さまが腰かける蓮華座がある。前に、きのことお釈迦さまの話をしましたが、夏にはハスの咲くところ、そして木の上に咲く蓮と言われるモクレンが咲く頃は、そこにて仏さまが私たちを見守ってくれているような気がいたします。
それら以外の季節は、八葉蓮華に腰をおろしていたり、あじさいうかべの時には具足池まで足を運ばれて、それを眺めながら「おや。紫陽花も、どことなく螺髪に見えません?」なんて(笑い)、少しユーモアを織り交ぜて微笑まれながら、皆さまの心を楽しく軽やかにしてくれているかもしれません。そんなふうに、心の中にはいつでも…。
さて、9月も月例行事として、まず前半には真言禅の会、写経、写仏の会を無事に行いました。ご参加いただき感謝です。真言禅の会は毎月第一日曜日の朝8時から始まり、食事(ご飯とお味噌汁)とセットで行われます。初めての方も、何度目の方も大歓迎です。また、久安寺オリジナルのなぞり写仏用紙として、本尊 千手観音、国重文 阿弥陀如来、市重文 薬師如来、仏塔 涅槃仏の4種類がございます。お持ち帰り用に受付でお求めできますので、ぜひ。



2022年9月 2日

秋きのこたち



9月初旬、少し前まではジリジリとした夏の暑さを感じていたはずが、8月も僅かになった頃から、だんだんと夏の終わりとともに秋めいた空気を感じ始めました。久安寺の参道にも、秋きのこたちが可愛くひょこひょこと顔を見せ始めていたり。きのこと言っても、あの大きなオニフスベではありませんよ(笑い)?
さて、そんなきのこに絡みまして、こんな小話を一つ。仏の道を修行する際に僧が口にする肉や魚を使わない精進料理、その一つにきのこがありますが、皆さま「しゃかしめじ」という名前のものがあるのは知っているでしょうか。「しゃか」と聞くと、おや?もしかしてと思った方もいるかもしれませんが、そのとおり、お釈迦さまから連想され、つけられた呼び名です。その姿が、お釈迦様の螺髪(らはつ)を思い浮かべさせることから由来になったとか。久安寺のお堂の中にも、涅槃像がありますが、きっと人々の心の中にいつも自然といてくれるからこそ、そういった連想につながるのかなと…。
また、きのこの中には、なんと花言葉を持つものがあるんですって。エリンギは、宇宙だとか。しゃかしめじには、まだつけられていないようなので、しばしお釈迦さまを思い浮かべ、「寄り添い」や「救い」なんてのはどうだろうかと考えてみたり。
皆さまなら、どのような花言葉をつけられるでしょうか?



2022年8月30日

仏の花"蓮"の見納め



8月半ばから下旬にかけては、施餓鬼法要、地蔵盆、地鎮祭、月例・不動護摩供などがありました。また、朱雀池にて6月末に最初の一輪が咲き、お盆まで次々と咲きながら、私たちに清く美しく逞しいお姿を見せてくれた蓮も、いよいよ見納めに。蕾の姿は未敷蓮華、綻び始めた姿を初割蓮華、満開の姿を開敷蓮華。その寿命は、約4日。開いては閉じ、開いては閉じ、だんだんと閉じが弱くなり、最後には開いたまま花びらが、ひらりひらりと散りゆく。泥の中で育ちながら、ピシッとした姿を表しきれいな色を咲かせる。そして、仏の花のとも知られる蓮。今年はたくさん開花してくれましたね。来年も、また久安寺にて元気なお顔を見せてくれますように。
8月18日の施餓鬼法要、24日の地蔵盆縁日。その前日には、20時から地蔵堂にて御法楽を行ったり。そして、久安寺地蔵堂、町内の各おじぞうさま、不死王閣さんの鮎供養など町内6ヶ所の巡拝を。お地蔵さまの前で手を合わせて唱えるときは「オンカカカ ビサンマエイソワカ」ですね。各お地蔵さまの前での御法楽に向けては、檀信徒総代さんにセッティングのお手伝いをしていただきました。
さらに28日の不動明王のご縁日、本堂での護摩供養を無事に行い、8月の行事を全て終えるに至りました。これもひとえに皆さま方のおかげです。改めまして、ご協力、ご参加いただき本当にありがとうございました。



2022年8月15日

仏塔の中のカブトムシさん



振り返れば、8月も半ばに差しかかった頃、二十四節気、七十二候では「立秋〜涼風至(すずかぜいたる)」に当たるわけですから、何だか涼しい風がそっと吹き始めてきたような……というのは、ただの願望で、涼しくなど全くなっておらない暑さ続きの日々なのでありました(笑い)。そんな猛暑のいつぞや、久安寺の仏塔の中でカブトムシさんがひっくり返られて、ぴくぴくと弱っているところを見つけたのです。そんなカブトムシさんを「これは大変だ!」と即座に救出いたしましたが、私たち人間だけじゃなく、虫たちにとっても夏は過酷なものなのですね…。
今回は、そんな生き物つながりでもう一つ。前に、絶滅危惧種指定のモリアオガエルが今年も久安寺にて無事に産卵を迎えたことをお話ししたのを覚えているでしょうか。その後もすくすくと元気に成長をして、気持ちよさそうに泳いでいるのですが、何とお色が緑色ではなくて、硯のような黒色になられていたのです。「これは、もしかして何かの病気か…」と少し心配もしたのですが、どうやらモリアオガエルをはじめ、カエルは体色が変色するらしく、黒色の子もいるのだと。聞くところによれば、保護色がどうのこうのという話なのですが、生態の仕組みというのはとても不思議なものですね。
何はともあれ、生きとし生けるもの、一分一秒でも長生きをしてほしいと思うばかり。人も、植物も、虫たちも皆等しく。



2022年8月 7日

七日盆からの盂蘭盆会



8月は、お盆の時期でありました。ご先祖さまを迎えたり、感謝をしたり。その意味ではお彼岸もありますが、お盆はまた特別な時と言える気がします。久安寺でも、まず上旬に七日盆をはじめ盂蘭盆会(お盆)を行いました。七日盆は、最初の盆行事や、お盆を迎える前にお墓のお掃除をするなどといった準備を行う日とされています。町内の方々のところにて七日盆墓前回向をさせていただき、その後の盂蘭盆会では仏塔供養者の方々を中心に行いました。汗が滝のように流れ出る暑さでしたが、そのような中、ご参加、ご参列いただいた皆々さまに心より感謝です。
さて、七日盆や盂蘭盆会を迎える少し前のこと、なぜかウバユリにすーっと引き寄せられた日がありました。花言葉は威厳。ウバユリは、花を咲かせる頃には葉がおちてしまうことから、葉(歯)がない姥(ウバ)の姿を連想する、なんて由来でその名を付けられたとか。葉=歯だなんて、ちょっとシャレじみている和名に対し、英名では「ハートリーフリリー」という可愛らしい名前が付けられていたり。葉っぱの形に由来しているんですって。
そんなウバユリをまじまじと見ながら、葉っぱが無い感じが、何だか軽いやフワリというようなイメージとつながるなと思えて。だったら、それらを表すLightとLily(ユリ)をくっつけて「ライトリリー」と呼ぶのはどうだろうか?なんて少し考えてしまったという、今夏の思い出なのでした(笑い)。



2022年8月 2日

巨大キノコのオニフスベ発見!



8月初旬、とっくに夏は到来していたものの、なお一層、ジリリとした暑さが強まった気がしておりました。日がさんさんとしているときは、用がないとあまり外に出るのも気が進みませんが、タイミングを見計らって時おり境内を散策。すると、久安寺の仏塔横にて視界に飛び込んできたのは、……ぼっくり。ぼっくりと聞くと松ぼっくりかと思うところですが、杉ぼっくりのほうでありました。
ヒマラヤスギに生る杉ぼっくり、それは丸くて卵のように見えたり。時には、少し遠巻きから見ると小鳥が木の上にちょこんと並んでいるように見えたりもして、何だか愛着がわいてなりません。
また、とある日には巨大キノコのオニフスベを発見!そのときに測った限りでは直径14センチ。オニフスベは、一夜にして発生すると言われるほどの物すごい成長率だとか。昨日はそこに無かったはずなのに、翌日になったら、ボンッと土の中から突然現れるなんて、びっくりですよね。
8月は、定例の真言禅、写経、写仏、文化財公開の無い月でしたが、皆さまオニフスベとはお会いになられたでしょうか?不思議であり神秘的でもあるその球体、オニフスベからはとてつもない生命力を感じるばかり。7月から9月に稀に現れるパワースポットならぬパワーキノコからは、きっと活力をもらえます。
オニフスベの前で手を合わせ、『皆様にも、どうか元気のおすそ分けを』と…


2022年7月28日

蓮の生命力


7月も下旬に近づくと、久安寺の境内北側、朱雀池には毎日蓮の花が見えるようになっていました。シオカラトンボも、その様子を見に来られていたり。
蓮は、大きな花びらに包まれている真ん中が、お釈迦さまが腰掛ける台座と似ていることから、仏の花としても知られています。
例年どおりなら、大体お盆過ぎまで次々と毎日咲いてくれるのですが、今年は開花が早かったので8月を前に、徐々に終わりの気配を感じつつ…。
蓮の咲き具合は、蕾の姿を未敷蓮華(みぶれんげ)、綻び始めた姿を初割蓮華(しょかつれんげ)、満開の姿を開敷蓮華(かいふれんげ)と表します。
どの姿も美しいですが、蓮の根は泥の中にありながら、真っすぐと茎を空に向かって伸ばしていき、やがて水面にけがれなき鮮やかな大輪を咲かせるという、その生命の在り方が清らかで、何と美しいことか。
凛々しいというか、神々しいというのか、眺めていると背中を正されるような心地にさせられます。
ぜひ夏の久安寺を参拝いただいた際には、朱雀池に立ち寄っていただき、その蓮の生命力を肌で感じていただけたらと思います。
皆様、7月も月例体験や文化財公開、不動護摩祈祷をはじめ、久安寺に足を運んでいただいたことに感謝、感謝です。


2022年7月14日

「賢者」との異名を持つ鬼百合


以前、ツユクサの花が蛍のように思えること、柏葉紫陽花が神楽鈴に似ていること、アガパンサスが夏の花火を連想させるといった、そんな話をしたことを覚えているでしょうか。
さて、7月中旬のとある日のこと、種を作らずに養分のかたまりのムカゴで繁殖をする「賢者」との異名を持つ鬼百合が、それはそれは存在感を見せておりました。
鬼百合は、何とも独特な風貌をしています。花びらが上向きにくるりと巻かれていて、どことなくヒガンバナを彷彿するところもありますが、下向きの部位が何だか何本もの足や触手のように見えるような。今が夏だからか、だんだんと海の生物たち、タコやクラゲなんかが、ゆらりふわふわと頭の中に漂いだしてきたのです。
「タコユリ、いやクラゲユリのほうが可愛らしいか。うん、クラゲユリと呼ぼう」と、そんなことを思ったり。
皆様、このたび仲間入りをした鬼百合ことクラゲユリのことを、以後お見知りおきを。なんて(笑い)
夏は、暑さや、最近ではゲリラ豪雨みたいな空模様も多く、精神的にまいってしまうこともあります。
クラゲには、ぼんやりと眺めているだけでも「ストレスを和らげる癒やし効果がある」と聞きます。
また、それは木々や花々といった植物にも通じるものがあります。
久安寺にお越しいただいたときには、クラゲユリ然り、久安寺の植物たちをゆっくりと眺めていかれてください。
皆様の心が、少しでも穏やかになりますように。


2022年7月 7日

恋の訪れアガパンサス


花の寺こと久安寺には毎月いろいろな花が咲きます。7月が旬の花、その一つがアガパンサスでしょうか。
久安寺の一角にも薄紫色のアガパンサスが咲いてくれますよ。その姿は何だか涼し気に見えて、じりじりとした夏の暑さから、少し癒やしてくれるような気がします。
ちなみに、花言葉は「恋の訪れ」だそうですよ。聞くところによれば、ギリシャ語で愛を「アガペー」と言い、花を「アンサス」と呼ぶそうで、それが語源になっているんですって。
愛の花だなんて素敵だな。ロマンチックな花じゃないか。なんて、そんなことを思いながら眺めていたときのこと。そのアガパンサスの姿がだんだんと「あれ?何だか花火のようにも見えてきたぞ」と、夏の風物詩の連想をさせてくれたのです。
あじさいの品種、墨田の花火が空に咲く大輪を想像させるように、アガパンサスの花咲く姿からも似たような心地にさせられました。
良いですね、花火花(ハナビバナ)。
夏に咲いて、まるでその季節を姿に表すなんて風流じゃないですか。
ぜひぜひ久安寺のアガパンサスことハナビバナを、来年、再来年、これから先の夏の楽しみの花として、その一つに混ぜていただけたら嬉しいです。


2022年7月 3日

今年のあじさいうかべ


7月初旬、「今年のあじさいうかべも、残り3日か…」と、少ししんみりしながら新たな月への移り変わりを感じておりました。心なしか、あじさいうかべの終了間近になった頃、あじさいが水分を含んでしっとりしだしたような…。
もしかすると、あじさい達も皆様との今年の別れを惜しんで、じんわりと目頭が熱くなっていたのかもしれません。
あじさい切り絵の御朱印も同日が最終日でしたが、多くの方にお渡しできました。
日々の生活の中で、例えばちょっと疲れたなと感じたとき、癒されたいなと心の声が聞こえたときには、ぜひあじさい切り絵を眺め、久安寺のあじさいを少しでも思い出していただけたのなら……
「紫陽花」の花言葉には、団らんや和気あいあいという言葉があるそうです。この言葉とあじさいを思い浮かべれば、何だか具足池の前で目にした皆様の姿が目に浮かびます。とても心あたたかなひとときでしたね。
来年もまた、たくさんの人がここで集い、幸せなひとときを共に過ごせるように願っています。
改めまして、あじさいうかべを見に久安寺にご参拝いただいた皆々様に、ありがたやありがたや。


2022年7月 2日

7月予定


7月3日まで1ヶ月限定「あじさい切り絵御朱印」
7月3日まで「あじさいうかべ」
明日の朝、どうぞ!
7月3日8時〜9時 真言禅の会


2022年6月20日

今年の「あじさいうかべ」は16日からのスタート


6月半ば過ぎ、今年の「あじさいうかべ」は16日からのスタートでした。花が開ききった紫陽花の花を摘み取って、「お疲れ様。きれいに咲いてくれてありがとう」と感謝を込め、具足池に浮かべていく。
そんな紫陽花の姿を皆さん待ちわびてくれていて、この時期はいつもに増して久安寺が賑やかです。遠方九州からの関西花の寺巡拝の団体さまをはじめ、参拝に訪れてくださった全ての方々に、ありがたやありがたや。
久安寺の境内、三十三所堂前、あじさい小道に咲く柏葉紫陽花や墨田の花火、お多福紫陽花に額紫陽花。そして紫や白や青やピンクと色とりどり。また、その色のグラデーションも多種で本当に鮮やかな景色が広がります。
その中で、時々ハート型に咲いているものを見つけたり、花が4株連なってまるで四つ葉のクローバーを連想させるような咲き方をしていたり、何とカタツムリの赤ちゃんが紛れているところを発見したり。そういった小さな発見と遭遇すると、一気に幸せな気持ちになってしまいますね。
一点だけを見ていると気づかず通り過ぎてしまうかもしれないけれど、ちょっとだけ視野を広げてみると、もしかしたらそこに幸せが隠れているかもしれない。大きな幸せばかりでなく、ささやかな幸せというのも大切にしていきたいものですね。
そして、久安寺がそんなちょっとした幸せを橋渡しできる場であったのなら幸いです。


2022年6月13日

柏葉紫陽花


6月も中旬に向かって一日一日と経てば、久安寺にだんだんと紫陽花の姿が目立つようになってきました。トップバッターとして見頃を迎えたのは柏葉紫陽花です。紫陽花にもいろいろな品種がありますが、その中でも柏葉紫陽花は少し独特な形をしているでしょうか。
その形を「ピラミッド型のようだ」と表すことも多いようですが、私は大幣(おおぬさ)や神楽鈴(かぐらすず)ともどことなく似ているような気がします。
どちらも祈祷と縁のあるもので、この純白な柏葉紫陽花が風になびいて振るわれる姿を見ていると、バサバサという音やシャンシャンという音が今にも聞こえてきそうで、同じように厄や災いが払われているのではないか?なんてことを思ってしまったり。
また、この頃は地蔵堂前に夏椿の沙羅が開花を迎えました。一日花なので、咲いた日の暮れる頃にはぽとりと花首のまま落ちてしまうという、儚くも美しい花です。そして、久安寺の一角に咲くドクダミの花も何と可愛らしいことか。あじさいうかべの前に、この3種を巡るのも実はおすすめだったりします。
その際には、ぜひ薬師堂前に立つ菩提樹が放つ優しい香りも浴びていかれることをお忘れなく。風に乗れば50メートルくらい香りが広がるのですが、とっても心を癒してくれますよ。


2022年6月10日

あじさい切り絵御朱印


6月上旬、おひさまが最高な良い時節の下、3日間ほど高野山に上がっておりました。その後、久安寺にて「あじさいうかべ」の時期に1ヶ月限定でお渡しする「あじさい切り絵御朱印」の授与に備えた準備をしたり、月例の写経の会、写仏の会を開いたり等々の日々を。ご参拝、ご体験くださった皆さまに感謝、感謝です。
さて、6月4日から7月3日の間にかけてお渡ししていた御朱印ですが、そのデザインは、夏空のような水色をベースに、アジサイ模様と本尊千手観音さまのお姿が切り絵でほどこされています。
ちょっと空にかざしてみると、6月の木々の緑や空の色と相まってとても綺麗。紫陽花と重ねてみても素敵でしたよ。ぜひ、皆さまもお好きな場所で、いろいろな景色や空に向かってかざしてみてくださいね。
また、6月のはじめは、真黄色な金糸梅が元気いっぱいに5つの花びらを広げて咲き、その鮮やかなビタミンカラーからはエネルギーをもらっていました。花言葉は「きらめき」ですが、雨上がりに見る金糸梅は、雨粒をまとった花びらに日の光が注ぐと、まさにその言葉どおりきらめいて見えて美しかった。
雨上がりの虹に心を奪われるように、雨上がりの草木花々のきらめきというのも、負けず劣らずですよ。


2022年6月 2日

オタマジャクシがお出迎


6月に差しかかった頃のこと、仏塔横にて今年初となるモリアオガエルの卵塊を発見しました。毎年この時期になると池の上に卵を産み付けるので、もうすっかり久安寺の風物詩ですね。すくすく育ちますようにと、願うばかりでした。
モリアオガエルは大阪府の準絶滅危惧種です。雌が泡の中に産卵をして、そこに雄が集まってきて受精を済ませる。それから約10日後には孵化をし、オタマジャクシの子は雨を待つ。そして雨によって泡とともに池に落下するという、何だかとても神秘的な一連です。
また、同じく準絶滅危惧種の一つ、エビネランの花も久安寺に仲間入りしましたよ。これは先代の3回忌に先代の弟さんが自然種を植えてくれたものです。知人の方から頂いた3株を6年もの月日をかけながら増やしていかれたとのこと。咲いたときには、皆さまぜひぜひ会いにいらしてください。
それでは最後に、カエルつながりでこんな小話を。
とある日のこと、具足池のそばに立っていると、ふとどこかから視線を感じた私です。何だ何だとその視線をたどってみたところ、何と水面からオタマジャクシがジーっとこちらを見ておられた!その丸っこい目のまなざしは大変可愛いのですが、その印象を上回るほどにオタマジャクシのサイズ感がとても大きくて、思わず「オタマジャクシならぬオオタマジャクシじゃないか?」なんてことを思ったのでした(笑い)。


2022年6月 1日

6月予定


具足池にて、オタマジャクシがお出迎え。
こっちを見てました。
その大きさにびっくりしないでくださいね。
具足池での
「あじさいうかべ」は6月16日から7月3日までを予定しております。


2022年5月30日

ツユクサの花言葉


気づけばあっという間に5月も下旬に差しかかって、もうすぐ6月に入る頃ともなれば、初夏を感じさせるような太陽の光が眩しくありました。箱根空木(ハコネウツギ)やオオムラサキツユクサが咲き始めたころでもあったり。
ツユクサと言えば、その藍色の美しさから染め物に使われたりもしますよね。また、オオムラサキはちょっと違うと思うのですが、よく見かける小さいツユクサは蛍草と呼ばれるだけあって、青紫色のホタルが葉にとまっているように見えて好きなんです。なかなか本物のホタルは、光は見えてもその姿を肉眼で見るのは難しいので…
そして、ツユクサこと蛍草の花言葉の一つには「セレナーデ」というものが。何とロマンチックなことか(笑い)。
また、参道には小さなお花、雪の下が咲いていたり。ちょうど不動護摩祈祷のときが見頃だったのですが、ご覧いただけましたか?
今月は若干時間変更もありましたが、ご参加いただきありがとうございました。久安寺に月例体験やご参拝に来た際には、足元の花々にもぜひお会いになられてくださいね。
5月も多くの方々に久安寺にお越しいただき、本当に感謝でした。


2022年5月20日

やるぞ!具足池のおそうじDay


5月中旬は、文化財公開の日があり、そして翌々日には、恒例の「やるぞ!具足池のおそうじDay」でした(笑い)。さんさんと晴れた日だと大変ですから、天候に狙いを定めて、いざ決行! 来月のお待ちかね「――うかべ」に向けて、藻やコケを取り払いました。
それをせっせと行っている最中は一苦労ですが、やっぱりきれいになるとうれしいですね。私の心まですっきりと何かが払われた気がしたような…
また、その近辺にて兵庫の神社仏閣サークルの方々がご参拝に来られ、ご案内をいたしました。青葉が眩しい良き日でしたね。とても勉強熱心な方々で、こちらが大変勉強になりました。その知識の豊富さに触れて、私も「精進波羅蜜あるべし」と思うばかりです。団体さま等のご案内はご予約にて受け付けています。いつでも歓迎ですので、遠慮なくお問合せください。
さて、5月も中旬を過ぎると、西洋シャクナゲが散り、今度はちょっと不思議な見た目をしたカルミアのお花が見頃になりました。春が訪れてからは花が咲いては散り、散ってはまた咲いての移ろいが目まぐるしい。なんて言ったら贅沢な悩みですね(笑い)。
カルミアは、お菓子のようなというか、ファンタジーに出てきそうというのか、とにかく可愛らしい姿をしています。ぜひ一度はご覧になっていただきたいおすすめのお花です。
ちなみに、花言葉は「優美な女性」ですよ。


2022年5月12日

写仏4種


5月上旬、8日には写経の会、10日には写仏の会がありました。まだコロナが完全に消えたというわけではないものの、少し前まではこうした月例の体験を当たり前に開くことができなかったな、またこうして皆さまをお迎えすることができるようになって本当に良かったなと思うばかりです。ご参加いただいた皆さまにも、ありがたやありがたや。
その頃は紫蘭や黄菖蒲が見頃でしたが、多くの方がご覧になっていたらうれしいですね。花の咲き方というのは、よく見ると人間のように一つ一つ違うのですが、とある日に見た紫蘭の一つが、何とまるでお星さまのような形に見える咲き方をしているところに遭遇!そんなラッキーな日もありました。
また、久安寺の不動明王、弁財天の周りに広がる黄菖蒲。その花言葉は「幸福」ですが、それぞれのご利益は確かに幸福につながるものなので、「何てふさわしいところに咲くのだろう」と、ちょっと人知れず感動していたという、その頃の思い出です(笑い)。
そして、このたび新たに久安寺のオリジナルなぞり写仏4種をご用意しました。「本尊 千手観音」「国重文 阿弥陀如来」「市重文 薬師如来」「仏塔 釈迦涅槃仏」の4種。受付にてお持ち帰り500円、ご予約にて薬師堂でなぞり写仏体験ができるようになっています。
どちらの形でも、ぜひ気軽にご体験ください。


2022年5月 2日

真言禅の会からのスタート


少し遡ること先月4月の最終日、天候に恵まれた良き日に岡山県からの団体さまに参拝いただきました。そんなありがたくうれしい気持ちとともに5月を迎え、まずは月例の真言禅の会からのスタートを。
予約不要、食事作法あり。当日は雨の中の開催となりましたが、ご参加いただいた皆さまに感謝です。毎月第1日曜日、朝8時からお待ちしています。初めての方も気兼ね要りません。気軽にいらしてください。
5月は、すっかり桜は散ってしまいましたが、新緑がきれいな季節です。新緑にはヒーリング効果があると聞くので、眺めているとそれだけで癒されてしまうようなプラシーボ効果が働いてしまったり(笑い)。
また、4月の和シャクナゲに代わり、西洋シャクナゲも咲き始めた頃でした。西洋シャクナゲは、膨らんだ蕾が何だか力強くて好きなんです。花言葉の「風格」にふさわしく、咲いても美しく華やかですよ。
そして、関西花の寺霊場巡拝の団体の皆さまをご案内したり、お話ししたり、思い返すと心地よい時間を過ごせていたなと思います。
個人の方も団体の方も、ぜひぜひ久安寺の自然から癒しのパワーをいただきに、いつでもお越しくださいませ。きっと木々や花々も多くの人に会えると喜びますから…


2022年5月 1日

5月予定


5/1日曜日8時から真言禅の会ございます。初めての方、大歓迎です。
岡山県から団体参拝いただきました。天候に恵まれて良き日でした。

5月1日8時〜9時 真言禅の会
(予約不要・食事作法有り・奉納料1000円)


2022年4月29日

西洋シャクナゲは来月かな


4月下旬は、久安寺に咲く和シャクナゲの花を見ながら、「西洋シャクナゲは来月かな」と、少し先の5月の姿を思い浮べていました。シャクナゲには日本石楠花(シャクナゲ)と西洋シャクナゲとがあります。その見分け方は、葉の裏を見ると分るでしょうか。裏側に細かい毛が生えているほうが和になります。
そんな和シャクナゲを見ていると、その花のつき方というか、集まって花がまとまって見える感じが、何だかブーケのようにも思えるなとか、上手に摘み取れば「あじさいうかべ」のように浮べることもできそうできっとキレイだろうなとか、そんなことを思ってもいました。
また、西洋シャクナゲのように5月に咲く花としてアヤメがありますが、ひと足早く咲く一初が咲いて、凛とした姿を見せてくれました。雨に濡れた一初、何とうつくしいことか。
正岡子規の「いちはつの 花咲きいでて 我目には 今年ばかりの 春ゆかんとす」を思い浮べたり。
既に多種多様の彩りが見える久安寺ですが、これからますます盛んになりますから、月例体験や参拝やお散歩ついでにお立ち寄りいただき、ぜひ眺めていってください。
振り返れば4月もたくさんの方々にお越しいただきましたね。
最後の月例、不動明王の御縁日、護摩祈祷にご参加いただいた皆さまにも心より感謝です。


2022年4月18日

ちょっと贅沢でうれしい悩み


4月も半分を過ぎると、ミヤマツツジにアカヤシオ、シャクナゲ蕾にイチハツに、さらにツバキ、シャクナゲと、もう久安寺の花たちが見頃だったり咲き始めだったりと慌ただしく、開花を追いかけるのがさあ大変だ、なんてちょっと贅沢でうれしい悩みを抱える今日この頃でした。
下旬に差しかかると、紅花常盤万作、ハナミズキ、ヤマエブキも加わって、その何ともいえない美しさに目を奪われっぱなしでした。
さて、花にも性格というのか、好む場所というのがあって、ひなたでさんさんと太陽を浴びたい花もいれば、日陰で涼しくありたい花もいます。そんな後者として久安寺で当てはまるのはアヤメ科の著莪(シャガ)でしょうか。葉の形はまるで剣先のように鋭くシュッとしています。花の形は…これはいつも見るたびに思ってしまうのですが、色というのか、ひらひらくねくねっとした感じが、何だか「クリオネっぽいな」と(笑い)。
そんな気づきから愛着がわいたシャガことクリオネアヤメがかわいくて、ついつい会いに行ってしまう私です。
野生でも生えているようですが、葉の特徴として、踏んでしまうと滑りやすいという一面も持っているので、見つけた際は足元にご注意ですよ。


2022年4月15日

花まつり


4月の上旬から半ばにかけてはいろいろな行事がありました。
まず、8日は「花まつり」の日でした。遡ること約2500年前、今のネパール王国、当時はルンビニーと呼ばれていた小さな村で生まれたおしゃかさま。その記念すべき生誕の日をお祝いします。「すべてのいのちは美しい」ですね。
甘茶をおしゃかさまに注いでから拝み、めがね菓子を持ち帰っていただく。当日は9時から16時まで開放していましたが、お越しいただいた方々、また、久安寺に直接来られなくても心の中でおしゃかさまを思い、手を合わせてくださった皆さまに幸あらんことを。
その翌々日には毎年恒例の関西花の寺25ヵ所霊場会 第23回 花法要が開催され、京丹後市の如意寺に出仕してまいりました。桜、空、海、仏。お天気良く、最高の一日でしたよ。そして、また翌々日には久安寺にてモミジを久安寺奉賛会の皆さんと植え付けいたしました。5本のモミジと共に、私たちも日々少しずつ育っていきたいですね。育つというと子供ばかりに当てはまるようにも思えますが、心の成長というのは年齢を問わず育ったり後退したりするものだと思いますよ。
さらに14日は月例の文化財公開もありましたが、その日に阿字庭にて見た大師さまが桃色椿といい感じに寄り添っていて、思わずパシャリと写真を撮ってしまいました。
皆さまも、久安寺に来たときには花々とのひとときを楽しんで行ってくださいね。


2022年4月 4日

さまざまなお花が咲く季節


4月初旬を思い返すと、目に見える景色だったり、私たちの生活だったりと、どこかしこも春一色になったような気がします。ちなみに、空の話では、春をもたらす雷の知らせとして雷乃発声(らいすなわちこえをはっす)というのがあるんですって。
さて、そんな頃のこと、久安寺の景色を見渡すと、「おや?一角に白い風景が見える…。これはもしや季節外れの雪か?!」なんて(笑い)、まるでそんなことを思わせてくれるかわいいお花の雪柳が咲きました。ススキのように枝垂れていて、そこに白い小さな花をたくさんつける。「愛らしさ」という花言葉を持つ雪柳です。
また、二十四節気の清明に入ると、「万物ここに至りて皆潔斎にして清明なり」でもあり、さまざまなお花が咲く季節です。紫八潮躑躅だったり、虚空園の白木蓮だったり、桜も満開になって、久安寺が花の寺の名によりふさわしくなってきましたよ。
ある日には、「枝垂桜は、もう見頃ですか?」というおたずねも電話でいただきましたね。そんなふうに楽しみに待ってくれている皆さまがいるのだなと思うと、うれしくなりました。
そして何より4月も変わらず無事に月例行事を開き、皆さまにご参加いただいたことに感謝です。
真言禅の会では阿息観を体験しましたね。写経・写仏の会も含め、また気軽にどうぞ。


2022年4月 3日

4月予定


本日、真言禅の会、ご参加ありがとうございました。阿息観を体験していただきました。
お電話でおたずねありました。枝垂れ桜は6分咲きくらいでしょうか。
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4月8日金曜日
11時 花まつり降誕会
14時〜15時 写経の会


2022年3月28日

行基菩薩さまとわらべ地蔵


4月の足音が聞こえてきそうな3月下旬のこと、久安時境内、当山開祖の行基菩薩さまとわらべ地蔵の周りに藪椿がぽとりぽとりと…花首から落ちていて、、、
なんて言ったらまるでホラー話がはじまるかのようですが、そんなことはちっともないのでご安心ください(笑)。
前に椿はそのままの姿でぽとんと落下するとお話ししたのを覚えているでしょうか?
ちょうど行基菩薩さまとわらべ地蔵のところに藪椿があって、とある日に見たところ、赤く可愛い藪椿が幾つもその周りに落ちていて華やかな光景だったのです。
すてきだな、なんだか、これはこれで神秘的だなと思って、ちょっと頭にピンときたことを調べてみたところ、何と実は椿の花というのは古来から神聖な存在として、魔よけ厄よけのパワーを持っているとして扱われていたとな…!
それを知ると、そのとき見た光景は、行基菩薩さまやわらべ地蔵たちが椿を用いて、久安寺や皆さまを災いから守るために祈りごとをしてくれていたのではと思えて、とても心強くなりました。
そんなパワーをいただきながら、28日には不動明王の御縁日、恒例の護摩祈祷を。
当山の不動明王さまは300年前の作、江戸時代、元禄期に当たります。
『ノウマクサマンダバザラダンセンダマカロシャダソワタヤウンタラタカンマン…』
3月も、久安寺に来てくださった皆々さまに心より感謝です!


2022年3月21日

徳目


3月半ばはお彼岸期間でした。ご参集いただいた皆様、ありがとうございました。
お彼岸は、私たちのいる此岸と、そしてご先祖様方がいる彼岸との距離が最も近づくときだと言われていて、春と秋とで年に二度おとずれますよ。
その年によって日にちは異なるのですが、今年は8日に彼岸に入り、21日の春分「春分〜雀始巣(すずめはじめてすくう)」に中日を迎え、24日が彼岸の明けとなりました。
この日々で徳目(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)について考えたのなら、あとは実行するのみです!
皆様とともに、ご先祖を供養、おかげさまの感謝の行や彼岸法要、ご先祖さまの回向などを行いました。
このたび段差のない入り口のほかに階段に手すりを設置したのですが、皆様が久安寺により足を運びやすくなっていたら…幸いです。
また、この頃は仏塔前の河津桜や藪椿がきれいで、幾度も目を奪われてしまいました。
椿は桜のように花弁がひらひらと舞い散るのではなく、花首からぽとりとそのまま落ちていきます。
桜のじゅたんもよいですが、椿がぽとぽとと地面にいるのも可愛らしい。
ちなみに、河津桜には「思いを託す」、藪椿には「気取らない優美さ」という花言葉があるんですって。


2022年3月13日

梅の花が視界に入ってきて、心がほっこり。


七十二候「ももはじめてさく」の頃、境内を見渡せばあちらこちらで梅の花が視界に入ってきて、心がほっこり。まだ少し前はうっすら雪化粧をまとっていたり、今年の開花はちょっと遅めかな思っていたりもしたのですが、やっとやっと可愛い姿が目立ってきました。
さて、梅の花と言っても1つじゃなく、いろいろなものがあります。
久安寺の境内には、まるで鶴や白鳥のような白色、まるでフラミンゴのような…サーモンピンクというのでしょうか、濃さもまたいろいろあるのですが、そんな桃色の品種が咲いてくれます。
風を感じる日には、梅の花の枝が鳥たちの足にも見えて、ほら、何だか春のステップを踏んでいるように見えませんか?なんて(笑)
梅は、花弁の裏側から見てもかわいいので、表裏の両方からぜひ眺めるのがおすすめです。
また、薬師堂横と虚空園山の側には山茱萸(サンシュユ)も咲きました。陽が照ると、それはそれは綺麗で。別名は春黄金花と呼ばれるように美しい黄系の色をしていますよ。
それでは、今回はこんな言葉を最後に…
「それ禿なる樹 定んで禿なるに非ず 春に遇えば即ち栄え花さく」 弘法大師『秘蔵宝鑰』
春を迎えるまではまるで枯れたようなその木も、春になれば花が咲く、
人もまた、今が忍耐や努力のさなかであっても、その先にはきっと明るい兆しの色が必ず見えてくる、
明けない夜はないように、花にも人にも、春がやってくるものです。


2022年3月 4日

3月はじめの久安寺に、おや?パタパタと2羽の来客者が?


それは初旬のこと、アオサギさんとカモさんの姿を発見!
春のはじまりを察知して、花々の様子を伺いに来られていたのですかね。「枝垂れ梅はどうか、河津桜はどうか」なんて、お目当ての花がいつ見頃を迎えるのかをチェックしていたのかもしれません(笑)。
3月も真言禅の会を筆頭に月例体験を無事に行いました。
真言禅の会では阿字観を修し、池田市ふるさと納税返礼品としての禅体験、写経体験の方々や、西国薬師霊場巡礼の団体様と良い時間を過ごせました。ありがたや、ありがたや。
さて、春はよく始まりの季節と言われ、例えば習い事やあれこれに目標を持って新たに取り組みだしたりもしますよね。「春植えざれば秋実らず」なんてこんな言葉も頭をよぎったり。
これから5月くらいまでは、しばらく春と呼べるでしょうか。そんな始まりの季節に、ぜひ久安寺の月例体験からはじめてみるのも、おすすめですよ?
なんて言ったらまるで宣伝みたいですが(笑)、真言禅の会をはじめ、写経の会や写仏の会へ、はじめての方も、そして幾度目の方々もいつでも心よりお待ちしています。
どうぞ気兼ねなく、心軽やかにいらしてください。


2022年2月21日

雪化粧


2月下旬、もう3月まであと僅かという頃、なんと久安寺はうっすら雪化粧をまとっていました。その後だんだんと青空になりましたが、見渡す木々に雪がふんわりとかぶさっている姿は、たしかコットンフラワーと言うのでしたか?綿の花と言われているものがあったと思うのですが、そんなふうに咲いているかのようでした。時間とともに消えてしまうのが残念。でも、しっかりと目に焼き付けました。
今年の2月は、日本のあちこちで結構雪が降っているというようなニュースを目にしたような気がするのですが、昔から「雪は豊年の瑞(しるし)」という言葉があり、雪がたくさん降った冬の後には豊作が待っていると言われています。なので、今年がいろいろな意味を込めて「豊かさ=幸せ」があふれることを期待したいですね。
作物はもちろんのこと、形は大小あっても一人一人に幸せが少しでも行き届いて、それが合わさることでも大きな豊かさと呼べるのかなと思います。
さて、下旬の久安寺では21日に毎月おこなわれる弘法大師の報恩日を迎え、そして28日の不動護摩祈祷で締めくくりました。
2月も久安寺にご参拝いただきどうもありがとうございました。これから春の花々が咲き出す季節です。楽しみにしていてくださいね。


2022年2月11日

建国記念日


2月は建国記念日がありました。その日は、自治会の役員さんと一緒に村の鎮守さんのおまいりを。コロナ禍のため、限られた参列となりましたが、町の風習を無事にできてよかったです。南無天照皇大神、南無天満大自在天神、鎮守さんが久安寺含め、この土地をいつも守って下さっています。ありがたやありがたや。
ぜひ次は、皆さまと一緒におこなえたらな...と思うばかりでしたが、今思うと、次や先のことを思っていたので、鬼に笑われてしまっていたでしょうか?ことわざの一つには、「来年のことを言えば、鬼が笑う」なんてものもありますし、2月は節分の時期で鬼との距離が近かったでしょうし、もしかしたら私の心もつつ抜けだったかもしれません(笑い)。
来年のことを言えば鬼が笑う。その意味は、明日のことだって何が起ってどうなるかなんて誰にも分からない。だから、そんな先のことなんてもっと分かるはずがない。そもそも考える意味がないよと鬼にばかにされる、でしたか。
でも、たとえそれが元の意味だとしても、令和時代の鬼までみんな同じ性格とは限らないと思いませんか?
同じ笑うでも、例えば、「明日への希望」を口にしたら微笑んでくれるとか、笑顔を見せて「うん、うん」と頷いてくれるとか、そんな優しい鬼もいるかもしれない。
明日や来年のことなんて確かに誰にも分かりませんが、だからこそ、ポジティブな未来を思い描いていきたいですね...


2022年2月 7日

立春〜東風解凍/はるかぜ こおりを とく


「立春〜東風解凍/はるかぜ こおりを とく」
七十二候ではこのように表す頃、久安寺から見える景色の一角が、それはそれは鮮やかさを放っていて目を奪われました。
それは黄色い蝋梅の花たちによるもので、7本の木に咲く蝋梅がきれいであり、可愛くもあり、まるで春のように穏やかな心地になりましたね。
私たちというのは五感を持っています。この時期に風が吹けば、触覚が「寒いなあ」と感じてしまうものの、視覚が蝋梅のような春の色を見つけたら、その途端に心をあたたかく変える。
そんなことを考えると、寒いとあたたかいがどっちもある、それって冬と春の間にある今の季節にぴったり合うな。なんてことを蝋梅を眺めながら思ってしまったのでした。
ちなみに、春を連想させる色って何だろうかと調べてみると、黄色や黄緑や桜色のような、淡いというのか、やさしい色合いが当てはまるみたいですね。
ほら、ちょっと思い浮かべただけでも心がほっこりしてきませんか?
また、その頃には、京都新聞旅行センターさまの西国薬師霊場団参ツアーの皆さまにご参拝いただきましたね。ありがとうございました。
きっと、お薬師さまもおまいりいただき喜んでおられます。
オンコロコロセンダリマトウギソワカ...


2022年2月 3日

節分会星供


2月初旬は、久安寺の節分会星供がありました。夜の本堂にお集まりいただきましたね。そして、月例の真言禅の会、写経の会、写仏の会を無事におこないました。真言禅の会は朝の8時からということで、まだまだ冬場のこの時間は、多めに着込んだとしても堂内は寒かったですよね。ご参加いただき感謝です。
「心の乱れを整えるには 背筋を伸ばして 仏の姿を」
次の月でもその次の月でも、いつでも気軽にお越しください。常連さんも初めての方も大歓迎ですよ。
また、2月と言えば、「1月往ぬる(いく)、2月逃げる、3月去る」という言葉をご存じでしょうか。
1月は、新たな年が始まって、なんだか落ち着く間もなく、気づくと2月に入っている。そして2月は、ほかの月と比べると日にちが少なく28日しかありません。まるで逃げて行くがごとくのスピードで過ぎてしまいます。そして3月は、例えば子供なら終業や卒業の時期だったり、大人も春からの異動だったり、始まりの4月に向けてやることがとにかく多い。そんなこんなで、気づけば31日間もあるはずの一日一日が足早に去ってしまう。昔から、ここ数か月をこんなふうに表しています。
いろいろやるべき事が多く、生きるだけで精一杯でもありますが、ときどき少しだけでも立ち止まって、呼吸を整えながら、無理なく一日一日を過ごしていきましょうね。


2022年1月25日

ロウバイ - Winter Sweet


1月下旬、久安寺の虚空園に今年も蝋梅が咲き始めです。7本ほどですが、もう見頃間近な気配でした。黄色くてかわいい蝋梅の花は、甘くていい香りがすることから、英名では「Winter Sweet」と呼ばれているんですって。なんか素敵なお名前ですね。
ちなみに、そう言えば何で「ロウバイ」というのか気になって調べてみたところ、蝋梅の花のツヤ感がまるで蝋細工でつくられたかのように見えるのだと。そんなふうに思わせられるところから来ているみたいですよ。
もしかしたら、蝋細工だけじゃなく、飴細工や綿細工を彷彿させるような、かわいくて美味しそうな植物もどこかにあるのでしょうか?なんて(笑い)。
今年も花の寺らしく、季節が進むにつれて、これから様々な花が入れ替わりながら咲いていきますよ。ぜひ、久安寺に参拝や体験の場に来た際には隅々まで散策してみてください。
また今年も真言禅の会、写経・写仏の会などで皆さまとお会いできることを楽しみにしています。初めましての方も、何も準備は不要ですから、肩をはらずに気楽な気持ちでご参加くださいね。


2022年1月19日

セグロセキレイと修行大師


年末から年明け、そして半ばのとんど火も無事に終えれば、久安寺の行事も落ち着き、やっとホッとひと息。
ふと空を見上げ、「そうか。このずっと天高いところに歳神様がいるのだな」と思うと、ちょっと感慨深いものがありました。
さて、そんな心地から何気なく具足池の修行大師像のほうを見たときのことです。なんて、ちょっと物語風に話してしまいましたが(笑い)。私はそこで、「むむ?」と目が釘づけになってしまったのです。
なぜなら、大師さまの笠の上に何か「ムン」と胸を張った丸っこい存在が!視界がふいにそれを捉えてしまったからです。その存在というのは、実はセグロセキレイという鳥さんで。何と大師さまの頭上で毛繕いをされていました。だんだんかわいい光景に思えてきたのですが、最初は「誰だ、あそこにいるのは!?」と衝撃的でした(笑い)。
後でちょこっと調べたのですが、セキレイもアオサギのように「幸せをもたらす鳥」であられるとか?
去年も久安寺には、カタツムリさんだったりカエルさんだったりが来てくれましたが、今年のトップバッターは縁起のよいセキレイさんということで、ありがたやありがたや。
さて、毎月21日の日は弘法大師の報恩日ですが、年初めは「初大師」と呼びます。
弘法大師法を朝に修し、14時からの初大師を御影堂にて行いました。無事に行えたこと、そしてご参加いただいた皆さまに感謝です。


2022年1月15日

とんど焼き2022


1月半ばは久安寺のとんど焼き、そして文化財公開の日でした。天気も青空に恵まれ、いくぶんか暖かい中で行えたのが何より。皆さまからお持ちいただいた注連縄や正月飾り、古いおふだ、御守り等を焚き上げさせていただきました。ご参加いただき感謝です。
暦の上では、七十二候の「小寒・水泉動しみずあたたかをふくむ」に入り、これから一歩一歩と春へと向かっていくのでしょうか。待ち遠しいですね。
とんど焼きとは、新たな年を迎えるにあたって入れ替える古いものを焚いて浄化する。
そして、その浄化によって空にできる煙の道を通って歳神様が天界へと戻って行かれる。そんな儀式の日でもあります。
歳神様は、皆さまがお正月の準備を整えることで元旦の日になれば、その家々にやって来て幸をもたらしてくれます。お正月に伴うあれやこれやの全てが歳神様をお出迎えするための手はずとなり、それを受けた歳神様からは「ありがたや、ありがたや。ならば、お返しに幸をやろうぞ」と。
例えば、誰かに親切にされたら自分も同じように親切にしたくなるように、歳神様も、皆さまの温かい心に対して返事をしてくれているように思えますね。
また、時節柄とんど焼きに少人数で来られる配慮をいただいた皆さまに改めて感謝申し上げます。
そんな皆さまにこの言葉を。
「あなうれし、行くも帰るもとどまるも、我は大師と二人連れなり」 同行二人。


2022年1月 3日

寅年


皆さま、新たな年を迎えられ、いかがお過ごしでしょうか。
少しふり返ると、大晦日の久安寺では、23時45分から閉門の2時までの間にかけて除夜の鐘撞きがありました。年始めには、そら植物園さまが新年のご祈祷に。そして吹田市の団体さまが参拝へと。そのほか初詣等に皆さまにお越しいただきましたね。感謝です。
さて、除夜の鐘を撞くことの由来は、人の煩悩と同じ108回分「ゴーン」と鐘を鳴らすことで、それを鳴らすたびに1つずつ煩悩が浄化されていく。そして、翌年がよい1年になるのだと言われています。
1人で108回撞くのではなく、みんなで1回ずつ撞いて積み重ねていく。自分だけではなく、みんなの幸せを願いながら...。今年は、笑顔があふれる1年になるとよいですね。
また、寅年ということで、そう言えば「トラ(虎)は一日に千里を走る」なんてコトワザがあったようなと、そんなことが頭をよぎりました(笑い)。
一里は、たしか4キロぐらいだったでしょうか。それの何倍も何倍もの距離をたった1日でトラさんは走ってしまうとか。
まだまだコロナが終息せずですが、もうちょっと先で待っている春が来る頃には、トラさんのように勢いや活気のある元気な世の中になっていてほしいですね。


2022年1月 1日

新年明けましておめでとうございます。


新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
初詣、皆様おまちしております。
祈願、御朱印、授与等承っております。
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10日14時〜15時半 写仏の会
15日 随時 とんど焼き
15日14時〜15時 文化財公開の日