2020年3月30日4月の予定大師とツバキ。阿字庭にて。 |
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2020年3月30日
久安寺に春の装い
3月の下旬ともなれば、ますます、桃色や黄色や淡い色といった春の花が広がり、久安寺に春の装いをこらしてくれていました。虚空園の山側には白木蓮(ハクモクレン)が空に向かって花を開かせていて、朝に見上げると光り輝いているようで、より一層美しい光景でした。
よく、仏さまの台座には蓮(ハス)の花が描かれますが、ハクモクレンの花びらの付き方や開き方からも、どこか蓮を連想させるようなところがあります。「高潔な心(私利私欲のなさ。立派)」という言葉を持つこの花からは、まるで木の上から菩薩さまに見守っていただいているように感じ、その凛と咲く姿からは、背中を正される気持ちにもなりますね。
また、阿字庭には椿(ツバキ)の花が姿を見せはじめました。「慎み深くも美しい」という言葉のとおり、弘法太師の像の周りに、少しずつ春の鮮やかさを添えてくれています。椿は、これからますます開花を迎える時期です。
弘法太師の後ろでは、火難防止、盗難防止のご利益のある愛宕将軍地蔵さまも見守ってくださっています。
どうか、この世の中に、ご利益が行き渡りますように。2020年3月23日
御影堂にてご法楽
3月の半ば、15日には月例行事の文化財公開日があったほか、17日から23日には春のお彼岸を迎えました。また、21日は当山・久安寺の属する真言宗の開祖・弘法大師空海さまのご入定の日にあたり、御影堂にてご法楽をあげさせていただきました。
お彼岸というのは、春は春分の日、秋は秋分の日、それぞれの前後3日間ずつを合わせた7日間を指します。また、彼岸というのは仏さまや先祖たちが住む世界、それに対して私たちが住む世界を「此岸(しがん)」と表し、年に2度訪れるこの時期は、2つの世界が近くなるとされています。
ご先祖さまの供養をするほか、菩薩さまが仏の修行として行った「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行(徳目)、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧を生活のなかで心掛ける期間でもあります。古くから、菩薩さまに少しでも倣うことによって、迷いや苦しみから抜け出ることができるものとされてきました。
このお彼岸期間、桜や梅に負けず劣らず、ミヤマツツジの花が元気に咲いてくれていたのですが、少しでも癒しやパワーを渡すこととなれたでしょうか。
お忙しい中、ご参拝いただいた皆さま、本当にありがとうございました。2020年3月13日
カワヅザクラと梅
3月上旬、久安寺の仏塔前に植えられた1本のカワヅザクラと、虚空園の入り口付近に生えている梅が花を咲かせてくれました。薄桃色のサクラと、濃い桃色の梅、春を魅せる代表的な2つが咲くだけで、心が明るくなるように感じるものです。
今月も体験の場を変わらず開かせていただきましたが、写経の会、写仏の会に参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
写経というのは、文字として残されているお釈迦さまの悟りを書き写して教えをいただくものであり、心で読み、自分の字で書き表すことが功徳(善い行いをすること)を積むことに繋がるといわれています。写仏というのは、仏さまの姿をなぞって描き写すもので、仏さまの絵を完成させることでも写経と同じ功徳を積めるものと考えられています。
現代のように、誰もが文字の読み書きができることではなかった時代、皆が平等に御利益をいただくことができるようにと、2つの形が存在したものだと伝わっています。
定期的に開いている会ですが、どちらも書き終えた後には皆さまの表情がすっきりとされているのが窺えますので、初めての方もリフレッシュがてら、気軽にご参加くださいね。2020年3月 6日
ゆっくり感じる久安寺の春
3月初旬、久安寺の境内が春めいてきました。ブルーベリーのような色をして、ブドウの実のように花を咲かせるムスカリ。黄金色をした山茱萸(サンシュユ)の花が、今年も可愛らしく咲いてくれました。ムスカリには、通じ合う心・明るい未来をもたらす、サンシュユには、持続という花言葉が込められています。また、サンシュユは「木全体が、早春の光を浴びて黄金色に輝く姿に見える」ということから、和名で春黄金花(ハル コガネバナ)とも呼ばれていますよ。
今年は、いつものように春をゆっくりと感じることは難しい状況でもありますが、花たちはいつもと変わらずに、春をもたらしてくれています。その姿からは、明るさや輝きが少しでも早く戻ってくるようにと願い、パワーが皆さまに届くようにと心を通わせているかのようにも感じるものです。
計り知れない自然の中で懸命に咲く花の生命。菩薩さまが行われた仏の修行。どちらも、ときに過酷な道を乗り越えながら辿りついたものとして、昔から深い繋がりがあるといわれています。
また、花は思い浮かべるだけでも癒しをもたらす力がありますから、心が疲れてしまいそうなときには、ぜひ心の目で春を感じてみてください。