11月初旬の久安寺
11月初旬の久安寺、イチョウの紅葉はもう少し先に感じながらも、センリョウの果実が赤く色づいてきた頃にございました。花自体は6月~8月の夏に咲き、果実は来年の2月頃まで楽しめるものにございます。そんなセンリョウの名の由来は、丸い実が沢山つく姿を漢字で表し「千両」となり、「利益・富・財産・裕福・可憐・恵まれた才能」といった、ありがたいご利益をもつ花として伝わっております。
さて、その千両という字を含む四字熟語のなかに、「一声千両」というものがございます。「その一声によって、がらりと空気が良いほうに変わる。それは千両にも値する一声だ」といった解釈ができるものですが、それは何も、大きな発言力のある選ばれた人のみに使われるものではございません。
誰しもの言葉に、人を救う力がある。また同時に、反対の力を持ち合わせてもおります。ご利益は授かるだけでなく、自らの行いでも引き寄せることができたり遠ざかったりするもの。それゆえ、道を明るく照らす言葉を日頃から放っていきたいものですね。
久安寺では11月も幾つかの行事がございますが、この場をお借りして3日・文化の日に行いました「真言禅と朝粥の会」および「文化財の特別公開」のへと足を運んでくださいました方々、そして参拝にお出でくださった皆々さまに心より感謝を申し上げます。